09) 使い心地とは 〜 そして、衝動買い気質のあなたへ
 NS Basicを使う上で、各ツールの使い勝手が気になるところです。
例えば「コードウィンドウは1つしか開けず、開くとフォームが触れない」いわゆるモーダルな設定になっています。 Microsoft Visual BASIC(R)では、コードを修正しながらフォームを修正でき、また、複数のコードウィンドウを開くことも可能になっていて、一見便利そうですが、 コードの修正中に、フォーム上のコントロールを削除したりすると、余分なコードが残ることになり、結果的に便利なのか?という疑問がわいてきます。
そういう観点から言えば、NS Basicの環境の方が親切と言えるでしょう。
このように、便利・不便という判断はその観点によって異なるところですが「自由度が高い」=「便利」ではないような気がします。
さて、今回は、NS Basicから少し離れて、最近入手したRuputer(ラピュタ)というコンピュータについて紹介します。
「Ruputer」とは、Seiko Instruments Inc(SII)が開発した「腕時計型のコンピュータ」です。
知らない人は「おおー!」と思うでしょうが、人気薄で旧機種のため、現在秋葉原などで5000円前後で叩き売られている状態のモノです。
今回、テーマに取り上げる理由は、Ruputerに付属する充実したツール類を紹介したいからです。たぶん、NS Basicプログラマーの皆さんでも参考になるんじゃないでしょうか?

 Ruputerは「腕時計型コンピュータ」ですが、実際は「腕にはめられるベルトが付属している小型コンピュータ」というのが正しいでしょう。形が腕時計型をしているので腕時計と比べてしまいそうですが、こんな重くて大きな腕時計は実用ではありません。ついでに普段は省電力状態で液晶がOFFになっていますから、時間も見れません。
Ruputerは、MS-DOS(R)ライクなOSを搭載しており、ファイラーはGUIですので、知らない人に見せたら「ほぉら、Windows」とか言っても通用するかもしれません。
機能的な詳細や外見は、ここを見てもらうとして、ここでは母艦のPCで使うツールを紹介します。

持ち歩けるPCで便利な機能といえば「スケジューラ」と「住所録」「ToDoリスト」でしょうか。Palmでもこの機能をメインに使っている人は少なくないでしょう。
類をもらさず、Ruputerにも同様のアプリが搭載されています。

     

スケジューラの画面ですが、構成はPalm Desktopと同じ感じですね。ま、基本的な動作が同じアプリですからそんなに違うとは思えませんね。やはり、スケジュールの登録画面もこんな感じで同様です。

     

アラーム告知があるのは、さすが腕時計型、携帯性に優れていますから便利です。さらに、アラームの音色を選択することもできます。
さて、この予定データを母艦とRuputerがどのように同期するか、ということですが、基本的に同期はせず「上書き」という方法になります。

     

メニューには「上書き」や「名前を付けて保存」という項目がありますが、これからも分かるようにスケジュールデータは1つのファイルになっています。
この点は、住所録やToDo(備忘録)も同様です。

  

    

住所録の画面には「画像貼り付け」というボタンがありますね。そう、アドレスデータに画像を添付することが可能で、画像変換ツールが同梱されています。
Ruputerは102x64ピクセルのバックライト付き白黒液晶を備えていますが、画像変換ツールを用いて、画像ファイルをRuputer用ファイルに変換することができます。
単純に白黒2値化するだけですが、単純白黒以外に、誤差拡散によるディザ変換も可能で、しきい値を適度に調整して使うことで、写真でも結構キレイな状態にすることが可能です。また、ユーザーインターフェースとしてすばらしいのはビットマップ以外にGIFでもJPEGでも変換でき、さらに、ドラッグ&ドロップをサポートしているという点です。

   

適度な写真がなかったので、本家さまのロゴを使ってみましたが、このGIFでも簡単に変換することができます。
また、Ruputer側の画像ビューアは、102x64より大きなサイズの画像でも取り扱うことができ、縦横スクロールすることで全体を見ることができます。
このように、ドラッグ&ドロップをサポートし、一般の画像フォーマットに対応しているので、使いなれたツールで作成した画像を簡単に変換できるのは、とても評価できると思います。NS Basicの「IconMake」と比べても、操作性では優れているのではないでしょうか?

また、ビジュアルの次にオーディオ面ですが、これも便利なツールが付属しています。

   

こんな画面で、音符を並べていくだけでサウンドファイルが作れます。
単音ながらもこんなツールで作成できると、結構楽しいものがありますが、32分音符、3連符などもあり、作成者のこだわりが感じられます。
さらに、不慣れな人のために、ドレミ表示にする選択肢も用意されています。

   

サウンドファイルを作成して、Ruputerに転送しないと音が聴けないわけではなく、ちゃんとサウンドプレビューも可能なので、Windows上で視聴することが可能です。
結構出来がいいので、私は携帯電話の着信メロディ用に使っています(笑)
このように、母艦で行う作業は、単独母艦だけで作業が全て終わる点も、とても評価できる点ではないでしょうか?
開発環境と比較してもいけませんが、POSEを使わず、NS Basic上で動作をエミュレートできるといいな思っているのは、私だけでしょうか?
不可解な点もあります。サウンド作成では「テンポが固定」な点です。テンポは一覧の中からしか選択できないようになっていますので、自由な速度での演奏はできません。

   

たまに不可解な設定に遭遇しますが、今のところそれほど使いこんでいるわけではないので、あまり気にしていません。

 これらのツール類は、特に統合されているわけではなく、各々単独のアプリとして存在しています。が、それらのツールを組み合わせて、本当に色々なことができるようになっていて、「使い勝手とは、こう言うモノか」と実感しています。統合と言うほど縛られていないのに、妙な一体感があり、それでもやっぱり各々単独で使えるわけです。
これらのツールが単独で独立している理由としては、各ツールのメニューからRuputerへ接続できるようになっている点でしょうか。いわゆるHotSyncのようなメニューを介さなくても、 サウンドを作ったらそのアプリから、画像を変換したらそのアプリから直接Ruputerへの転送ができるようになっています。

   

 いままで紹介したのは、Ruputer本体よりそれに付属するPC用のツール類になりますが、これらに支えられて使うことができるRuputerというものが、少しは伝わったでしょうか?
各々のツールが使う側のことを良く考えていて、プログラムを作る人間にとってはとても参考になりましたが、これを読んだあなたはどう思ったでしょうか?
紹介したのが開発ツールではありませんでしたので、あまりピンとこないかもしれませんが、それでも衝動買い気質の方、どうですか?
ちなみに、添付されている「反転ゲーム」ま、オセロなんですが、これを持ち歩いて暇な時に遊べるのは楽しいですね。あとは、いわきさんの作られた「R-FORCE」というゲームは単に避けるだけのゲームですが、なんだかハマります。ゲーム類、結構ネット上で見かけますので、ゲーム機としてもいいかもしれませんね。

開発者の方には、たまらない情報ですが、Ruputerの開発ツールは無償で提供されており、それもなんとCodeWarriorです。

   

お得なNS Basicが高価に見えてしまうくらい魅力的な選択ですね。これを読んでしまった衝動買い気質の方、繰り返しますが「どうですか?」 GCCも無償でダウンロード可能ですよ。

最後の方は、セールストークになってしまいましたが、とりあえず、このあたりにしておきましょう。
笑えるのは、Ruputerはコンピュータなので「時計も1つのアプリ」という点ですね。いくつかの時計アプリがバンドルされていますから、なんだか妙です。

今回は、RuputerのPCツールの紹介になりましたが、いかがでしたか?
使いやすいアプリとは、というヒントになっていただければ幸いかと思います。
あとは、秋葉原などで実機をみて、「衝動買い心」に火をつけてみてください(私も衝動でした)