03.Palmを使ってVPN!

般ユーザーがネットワークを利用する際、ある程度の回線品質を求めるものの、むしろ、その価格などが大きな選択要因になったりします。
しかし、信頼性を求められるような企業活動では、価格と同等かそれ以上に、回線の品質が求められます。
回線の品質とは、単に最高速度だけではなく、最低速度が決まっていて、どんなに遅くなっても切れない、とか、セキュリティ的に強固であるとか、そういった総合的な指標を含んだ品質ですが、高品質の回線を求めた場合、通常『専用線』と呼ばれる回線を契約して使うのが、企業的には一般的かもしれません。
比較的安価で高速な専用線といえば、フレームリレー網などが頭に浮かびますが、要は、契約者だけが利用できる特別に用意された線だと理解すればよいでしょう。
変な例えですが、人がたくさんいる駅構内やファミリーレストラン、喫茶店などでわいわいがやがやと話をしている状態を、公的なネットワーク網とすれば、その喧騒の中で糸電話をつかって密かに会話をしているようなものと考えればよいでしょう。

然のことながら『専用』という単語からもわかるように、一般の回線に比べて高額であることは否めません。
回線品質を求めれば当然のことでしょうが、それでも回線に対する対費用効果があまり出せないところでは、苦しい選択でもあります。
そういう背景の中で、安価なインターネットの網を何とかして使えないか、という動きは必然的でもありますが、その中で誕生したのが、IP-VPN、日本語にするならば「インターネットを使った仮想施設網」とでも言う仕組みです。
これを例えるなら、糸電話のような専用の道具が必要な専用線に対して、よそに聞こえないようにひそひそ話をしているようなものと考えればよいでしょう。専門家の方には叱られるかもしれませんが、大げさに専用の装置を用意しなくても、専用線のような仕組みが安価なインターネット網で実現できるので、コスト的には大いに魅力的です。

て、企業活動にしろ、ひそひそ話にしろ、大半は外部に漏れては具合が悪い内容を含んでいます。
会社における極秘の企画書であるとか設計図であるとか、ひそひそ話のレベルでは人の噂話などでしょうか。
こういう秘密裏に行いたい通信や会話には、セキュリティ対策が重要になってきます。
そういう点で、専用線接続では、比較的気軽だった回線も、インターネットのような公的なネットワーク網を使うことを考えると、セキュリティが大きな問題になってきます。
一般的な対策として『情報の暗号化』という手法がありますが、送信する情報を送信側と受信側だけが分かるような暗号にしてしまおう、というもので、ひそひそ話を日本語以外で行うことによって他人にはわかりにくくするようなものと言えばわかりやすいでしょうか。

かし、突き詰めて考えると、企業活動は仕方ありませんが、人の噂話をそんな公的な場所でする必要があるのか?という根本的な問題に到達します。
そうですね、確かにそういう話をしないに限ります。

・・・などと言われても、街を歩いていて変な人を目撃した場合や、友人同士で入ったファミレスで面白い光景が展開されているのに気付いているのが自分1人だった場合など、その場でネタにして、人に伝えたい話はたくさんあります。
更には、人の噂話、例え、その人を馬鹿にしている話でも、対象となる事象が身近にあればあるほど『蜜の味』がすることは、大人な皆さんならお分かり頂けるかと思います。
しかし、こういう噂話やローカルな話題を公的な場所で、本人に面と向かって言ったり、大声でしゃべったりすることは、不謹慎で迷惑行為と思われても仕方がありませんので、私たちは、ファミレスの特定の範囲にVPNを用意する必要がある訳です。

ということで、やっと今からが本題です(笑)

えば、友人と入ったファミレス。近隣の席で、鼻からスパゲティを出してむせている人の存在に唯一気付いたあなたは、何とかして、同席している仲間に『それとなく』伝えたくなる筈です。
こういう時、何らかの方法でファミレスのテーブル上にVPN(笑)を確保しなければならないのです。

易な選択肢として、ひそひそ話がありますが、こういう時、あからさまにひそひそ話を始めるのはむしろ危険であることは、日常的に経験していることです。
ほら、寝癖がついた頭が気になっているとき、周囲で、ひそひそ話が始まったら、自分のことかなぁ、と気になりますね。だから、唐突なひそひそ話はセキュリティ面からあまりお勧めできません。

は、暗号化を試してみましょう。
日本語ではない、異国の言葉で話してみれば、ある程度の音量でも問題がないように思われます。
しかし、この国際化社会と言われている現代、ウサギまで英会話に通う世の中ですから、英語などは危険ですし、また、それ以外の言語を同席している仲間が理解できるかどうかが問題です。
もちろん、鼻からスパゲティを出してむせている人が、異国語を理解しないとも限りませんから、暗号化も却下です。

っそのこと、筆談を始めましょうか?
いや、噂話以前に、そのテーブル全体が怪しい雰囲気に包まれることでしょうから、避けた方が賢明ですし、同席しているのが同性だと、妙に誤解される危険性もあります。
確かに、声を出さない、というのは魅力的な選択肢ですが、テレパシーという方法を考えつくようになったら、もうそれはオカルトの域に達していますし、身振り手振りで伝えるジェスチャーを始めたら、むしろこちらがひそひそ話の対象になることは必至です。

ということで(強引な展開ですが)Palmの出番です。

するに、1つの話題を、1つの手段だけで伝えようとするところに無理があるわけで、何気なくPalmを併用して会話をすれば、結構なセキュリティになります。

  「ねぇねぇ、それでさ〜」

  

  「それが、結構すごくてさ。」

  

  「何気に1回、見てみてよ」


ほら、この会話だけを聞いても、周囲では何のことか分かりませんが、Palmの画面を見ることの出来る仲間には伝わっています。

  「ねぇねぇ、それでさ〜」

  

  「それが、結構すごくてさ。」

  

  「何気に1回、見てみてよ」


会話上、全然関係ない話のようにしつつ、画面でサポートをするのでコツは要りますし、Palm-VPNの初心者だと、すぐに振り向いてしまいますから、ちょっとした呼吸合わせは必要ですが(笑)、有用な仕組みだと思いませんか?
難しく言えば『話の内容を分割して相手に伝え、相手の頭の中で再構成してもらう』会話方法なので、ある意味、TCP/IPである、と言い切っても良いでしょうし、手書き情報と音声による情報なので『マルチメディア』だと言い張ってもよいでしょう。
どちらにしろ、VPNによって、会話の秘密性が守られつつ、会話が可能なので、それなりに楽しめているのは事実でしょう。
まぁ、唯一の欠点は、笑いが抑えられるかどうか、という部分になりますが・・・

書きメモは、Palmの中でもPalmらしいアプリケーションの1つで、今は標準的に組み込まれていますし、定番と呼ばれるアプリも多く公開されています。
もちろん、画面を直接見せても、赤外線やBlueToothによるチャットでも良いでしょうが、どんな方法にしても、Palmと音声を使ったVPN(笑)は、リアルタイム噂話が可能な美味しい美味しい蜜の味だと言えるでしょう。
このような、気軽に作れるVPNを使って、秘密の会話を共有することで一層高まる親近感、そういう中で、非モテの人にも春が訪れるかも知れません。



  「とか何とか言ってもねぇ。」

  

  「あしからずだね。」


mizuno-ami.2003.■■■

もどる