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フナを見に 〜滋賀県立琵琶湖博物館〜


2006/05/06
日本自動車連盟、いわゆる「JAF」から送られてくる「JAF Mate」を眺めていた。
色々な場所へのお出かけガイドが載っており、読んでいて楽しい訳だが、ふと2006年5月号の特集「水の楽園へ、水族館ドライブ」の中に面白い記事を見かけた。
「フナやコイ、タナゴなど身近な魚類ばかり」・・・
と言う事で、フナを見に滋賀県立琵琶湖博物館に足を運んでみた。

琵琶湖湖畔に突き出た烏丸半島にある滋賀県立琵琶湖博物館(http://www.lbm.go.jp/)(地図はこちら→Google地図)、ゴールデンウィークも終りに近くなった5月6日。JAF Mateに掲載されているような場所なので大混雑を予想したのだが、拍子抜けするほどあっさりと到着。
駐車場も満車という訳でもなく普通に止められた。


かなり不安だ。


入り口を入ると、こんな奴が寝そべっている。
    オオサンショウウオ
    オオサンショウウオの「まさなりくん」です。
不安だ。

常設展示室には、琵琶湖の歴史から何から並んでいるわけだが、とりわけ目を引くのは「ゾウ」の骨やら模型やら。
こんなところにゾウが居たのか、とちょっと感動する。

ボーリングによる地質の調査の様子も実物大の模型を使って説明されており、とても丁寧な作りになっていることに感心するが、妙にリアルな人が立っている事に気がつく。
    調査員?
    ペラペラの板の人だけど館内が暗いので妙にリアル。
それだけではない。
更に、このようなコスプレセットが用意されているのだ…
    コスプレセット
    「使ったあとは元にもどしてね」と書かれています。
この作業衣やヘルメット、長靴などで「調査員コスプレ」をして記念撮影ができるようになっている。
マジメなのか冗談なのか分からない。
が、ヘルメットを被って記念撮影している人も結構居た。
マジメなのか冗談なのか…

順路に従って進むと、琵琶湖と人との関わりをテーマにした展示があり、昭和のわらぶき屋根の家や汲み取り便所などが再現されていて、ご老人が孫に懐かしそうに説明している姿が印象的だった。
1つ気づいたのだが、汲み取り便所も完全なる作り物なのだが、作り物でもその外見を見ると「臭い」と思ってしまうのだ。
もちろん、この手の便所を知らない人には分からないだろうが、妙に脳の記憶が曖昧なんだなという事が分かった。

また、家屋の土間の所に置いてある魚の入ったバケツの模型を見て妙な気になった。
    バケツと魚
入っている魚が妙にリアルなのだ。
    バケツと魚
    透明樹脂の中に固められた魚…。
それだけではない、次の琵琶湖の生物を紹介するコーナーでも、魚が当然の事ながら剥製である事はもちろんだが、その上の小道具のカエルが妙にリアルだったりするのだ。
    剥製
    樹脂漬けの剥製かな?
    カエル
    ピンボケですが、妙にリアルなカエルです。
様々なところで使われている小道具、下手な作り物は置きませんよと主張するかのようなディテールは大人が見ても楽しいモノばかりだ。

琵琶湖に住む生物のコーナーは、リアルな作り物(と一部ホンモノ?)による展示で楽しい訳だが、それだけではない。
    ザリガニ
    リアル置物1:ザリガニ。作り物です。
ザリガニのリアルな模型は、見ているだけでカッコいいが、何もこんなモノまでリアルに作らなくても…と思うものまでリアルに作られていて、女性の方には不評かもしれない。
例えば…
    ミミズとカブトムシの幼虫
    リアル置物2:土の中の様子。作り物です。
リアルな甲虫模型を見ると、こいつら生物兵器じゃないかと思う程の装甲をしていてかっこよくさえ思えてくるから不思議だが、こちらも女性にはあまり人気がないかもしれない。
    装甲騎兵
    リアル置物3:装甲の厚そうな甲虫。作り物です。
ところで、上の写真の右下に「実際の約20倍の大きさです」と書かれているのが見えるだろうか。
実はこれら「リアル置物」と書かれた写真は全て巨大な模型。
実際は、次のようなサイズの模型があちこちに置かれているのだ。
    まいまい
    リアル置物4:これが実寸なら人も食われる危険性があるでしょう。
並べた携帯電話はミニチュアではなく、ホンモノの携帯電話。
これらの模型がどのようなサイズで作られているかお分かり頂けるかと思う。
もちろん、あのミミズやらカブトムシの幼虫も同じように巨大サイズで作られている。
マジメなのか冗談なのか、ますます分からなくなってきたが、下手に子供だましのデフォルメされたキャラクターよりも、このようなリアルな展示の方が色々な意味で興味をそそられる事に気づく。


さて、最初の目的を思い出そう。
フナを見にきたのだ。
    フナやらコイやら
    フナやらコイやら
居る。売るほど泳いでる。
目線に配置された水槽にはフナやらコイやら身近な魚がウヨウヨと泳いでいる。
まぁ、水槽の周辺の風景は、こんな感じで当初の予想通りといえば予想通りかもしれない。
    フナやらコイやら2
    遠くから写すと貧弱に見えなくもない。
しかし、巨大な奴が鼻先を悠々と泳いでゆく姿には心惹かれるものがある。
    ようこそここへ
    巨大な奴が悠々と。「よぉ、いらっしゃい」
更にフナやコイは一箇所だけでなく、あちこちの水槽で飼われている。
水族館で定番のトンネル状の水槽もあるが、その中をフナやコイなどのありふれた魚が泳いでいるなんて、ここにしかないんじゃないかと思われるような気がする。
    トンネル
    水族館の定番。トンネル状の水槽。
    トンネル
    群れ泳ぐのはフナやコイ。はっきり言って地味かも。
    トンネル
    横に目が付いているのに、前を見ようとしている努力家?
水槽も色々なところに覗き窓が作ってあるので、小さなお子さん連れにはとても良い撮影スポットのような気がする。
まるで水中に居るかのように水槽の世界を眺める子供、もちろん、反対側からお父さんはビデオ撮影で大忙しだ。
    トンネルの覗き窓
    クリオネ
覗き窓は、場所によってはロマンティックな風景を作り出す。
    ディープブルー
    水底にいる雰囲気。ムード良し。でも水の中はフナとかコイ。
青い光が差し込み、適度に薄暗い館内は若いカップルのデートににも最適だろう。
少なくとも、彼女に魚の名前を尋ねられても、フナやコイで通せば8割方大丈夫なので安心だ。


先に進むと薄暗い館内の水槽にはコイやフナ以外の魚がたくさん飼われている。
暗闇の中にほのかに浮かぶ水槽は、幻想的でキレイだが素人カメラマンには辛い被写体だ。
    ぼんやり浮かぶ水槽
    闇に浮かぶかのような水槽。環境ビデオみたい。
    中はうじゃうじゃ
    同一種でも育ちがバラバラなので見ていて面白い。
    キレイだけど
    キレイでしょう。でも中身はフナ。
    かくれんぼ
    隠れてないで出てきなさい。
    塩焼き
    正直、美味しそうと思ってしまいました。
    巨大魚1
    巨大魚1:何喰ってると、そんなに大きくなれるんだろうか?
    巨大魚2
    巨大魚2:キャビアの親。あんたの巨大な身より卵の方が珍重されてるんだよ。
    なまず
    ちょっとお疲れ気味の白ナマズ。「あかん、もうワシ、死んでしまうんやろか。」
    ガマ
    「魚だけじゃないゲロ」と、少し痩せ気味のガマ。
最初はフナやコイなど「華のない」魚だけかと思っていたが、見ているうちに、なかなかどうして楽しめる水族館だなと思えるようになってきた。
むしろ、フナやコイ、ドジョウやタナゴなど、当たり前と思える魚が当たり前に住めなくなっている今の環境。
おそらく、子供の頃、ドロだらけになって小魚やザリガニを捕まえた記憶のある大人も居るだろうに、そんな当たり前の魚たちを水槽越しにしか見れない子供たちが不憫に思えたくらいだ。

一応、ふれあいコーナーというものがあった。
浅い水辺で生き物が触れるコーナーの他に「ふれあい水槽」と言うものが。
これは水槽の側面に穴があいていて、そこから手を突っ込んで魚を触れる、と言うものだ。
    ふれあい
    側面から手を突っ込んで水中の魚にタッチ
このように側面に本当に穴があいている。
でも、もちろん水は溢れてこない。
その仕組みは、この通り。
    真空ポンプ
    空気の圧力の凄さを知る良い教材かも。
密閉構造になっていて、上から真空ポンプで空気を引き、水の重さとバランスを取る事で保たれている「穴」なのだ。
よくよく見ると、穴の水位は微妙に上下している。
おそらくバランスを取りながらポンプが作動しているのだろうが、万一、真空ポンプが壊れたらどうなるんだろう、と思いながら眺めてしまった。

最初はマジメなのか冗談なのかわからないような展示が並んでいて不安になったが、こうやって眺めてみると、総じて冗談っぽくても決して不真面目ではなく、知的好奇心をくすぐられる楽しさがあり、かなり満喫できた。

満喫といえば、併設されているレストランでこのようなモノを食べた。
    天丼
    天丼…
天丼…、ご存知の方もいるかと思うがブラックバスの天丼、名付けて「バス丼」だ。
お味は、淡白というか味がないというか旨みがないというか、正直に言えば味がないと言った方が伝わりやすいだろう。
塩を忘れた塩焼きのようなモノの上に、さして歯ごたえもないので、タレでご飯を食べたようなものだ。
ネタ的にはオイシイのだが、胃袋的には周囲で注文率の高かったカレーの方が美味しかったのかもしれない。
せめて、バス肉を使った「ブラックバスバーガー」の方が良かったのか?
まぁ、次回行く事があれば、バス丼ではなくナマズ丼にチャレンジしてみようと思った。

まだまだ紹介しきれない訳だが最後にもう1つだけ紹介しておきたい。
    ザリガニ
    巨大なザリガニの模型?
巨大なザリガニの模型は、いまさら珍しくないかもしれない。
しかし、後ろから見ると子供の足が見えている。
    ザリガニ
    尻尾の下に子供の足が…
そして、前方には「のぞき穴」があいているのだ。
    ザリガニ
    前方には「のぞき穴」…
実はこれ、中に入ってザリガニを操縦して、前方にぶら下がっている獲物を捕まえる、という装置(?)なのだ。
中に入って前の獲物を見ながら、はさみで捕まえるという操縦シミュレータ。
    ザリガニ
    しっかり掴んだのはオタマジャクシ
ガンダム世代から見れば「モビルアーマーのようだ」とか「赤いから通常の3倍速い」とか言う声が聞こえてきそうだが、このあまりにもリアルなザリガニの姿に、呆れるやら感心するやら。
小さな「操縦士」が不器用にオタマジャクシを捕まえている様子を眺めていたら、やっぱりマジメなのか冗談なのか分からなくなってきた。


【おまけ】
レストランにあった子供向けビール風飲料の宣伝。
    子供向けビール
    「ごくろうさまです」「おっとっと…」
「ごくろうさまです」とか「おっとっと」と言う子供、実在したらかなり嫌だ(笑)
本日の好日度:★★★★★ 「色々な意味でオススメ物件」