Go!Go!お出かけ〜気が向いたら更新

アリを追った 〜ネバーランド・長野県下伊那郡根羽村〜


2006/09/17
 特に目的もなく、ブラブラとたどり着いた、ネバーランド。
長野県下伊那郡根羽村、と言えば愛知県からほど遠く感じるが、その実、大合併によって誕生した超巨大な豊田市が、愛知県境まで続いているため、根羽村への道のりの大半が豊田市内の移動という、まことに面白からぬ状態である。
ひとまず到着し、ぼんやりとソフトクリームなど舐めつつ、アリが行き交う様子を眺めていた時の事だ。
まぁ、まず、山のアリはサイズがでかいので目に付きやすいのだが、4匹が列をなし、道路を横断してゆくではないか。
偶然ではなく、意図的に1匹に率いられた3匹の手下がその後をついて行く光景が目の前にあった。
アリがでかいので、道路を渡りきるまで、肉眼で確認できたが、茂みの辺りに差し掛かった頃から、唐突に行方が気になったので後を追ってみた。
ちなみに、横断した道路は、ネバーランドの建物の横手の小道。幸い、自動車事故にも遭わず、無事に横断できたようだ。
    アリの通路
    一列に横断していった道路。
気になって追って見ると、アリたちはちょうど側溝の上の鉄アミの上を渡っている最中だった。
    鉄アミ上
    アリ版の「ファイトー!」「イッパーツ!」
他の2匹がやや遅れたため、2匹が先行する形となったが、鉄アミの上はさすがに滑りやすいのだろうか。
一瞬、先頭の道案内が落ちそうになり、見ている方をヒヤッとさせる。
    鉄アミ上2
    「隊長、大丈夫でありますか!?」「素材に、やや難アリだな。」
しかし、肉眼で見ている分には、さほど問題ないのだが、カメラのレンズで追おうとすると、それはそれで大変な作業だ。
場合によっては、ピントが間に合わない。
    通常の3倍
    「赤い…アリ…は、速いぞ!」
もう、地面に這いつくばってレンズを構えるしかない状態。
実際に、這っていたが、他から見たら、さぞかし近寄りがたい光景だったろう。
そんな人間様の都合とは関係なしに、アリ達はどんどん先に行く。
    先頭アリ
    草の間もどんどん登ってゆく
小さい体で、どれだけの道順を記憶しているか知らないが、行き先を熟知していて、そこに向かってまっすぐ歩いているようにしか見えない。
もちろん、後続のアリもしっかりとついてくる。
    後続
    赤い…アリ…は、速いぞ!」
昆虫の場合、その小さな体から分泌する化学物質は、分子単位で「数個」というオーダーである事も珍しくないという。
ヘンゼルとグレーテルが落としたパンくずよりも小さな「痕跡」を追って先に進むアリと、それを追うアリ。
一体、アリ達には、どんな景色に見えているのだろうか。
    草の下
    ちょっと目を離すと、こんな草の下を移動中。
岩肌だって、何のその。どんどん登るアリ達。
頭の中には、たくましい男性2人が激流に流されそうになったり、険しい山道から落ちそうになったりするCMでお馴染みの、あのフレーズが何度も頭をよぎる。
    岩肌
    アリ版の「ファイトー!」「イッパーツ!」岩肌バージョン
気が付けば、ちょっと遅れて3匹目の姿が見えるようになった。
一部始終をレンズ越しに上から眺めていた人間でさえ、どこを通ってきたのか正確に言い当てる事は出来ないのに、3匹目は、そんな道でも迷うことなく先頭を追っていた。
あたかも、移動の様子を見ていたように。
    3匹目
    「おーい、待ってくれぇ」「隊長、誰かついてくるでアリます」
まぁ、本来なら、3匹揃ってのベストショットが望ましいが、這いつくばっている人間にそんな余裕はない。
いや、もうそろそろ、崖を登りきってカメラの守備範囲まで移動してしまう。
思えば遠くまできたものだ。
    カンサツ
    よく観察しましょう。葉の向こうにいるのが、先導アリ。手前の2匹は後続アリ。
もう、この先は私の背丈ほどの位置にある、岩の間に消えるのを待つだけ。
    帰還
    最後は3匹揃ってのショット。脱落者1匹は大幅に遅れてます。
この後、岩の間に消えたアリ達。
結局のところは、巣に戻ったのか、何か獲物があったのかは定かでない。まぁ、延々とストーキング行為を続けてきた事になるが、最初の道路の写真に経路を組み合わせてみると、ほぼ、一直線に岩場に向かっている事が分かる。
    おさらい
    経路のおさらい。あの辺りの道路で這ってました…
小さい体で、一体何をどうやってみたら、あそこにまっすぐたどり着くのか。
えらそうな事を言っても、ちょっと地下街に迷い込むだけで方向が分からなくなるような人間様に比べたら、その帰巣本能のようなモノは感心させられるばかりである。

しかし、こうやって小さな世界を追いかけるのは楽しいぞ!
90mmのマクロレンズ、本来の使い方を楽しんだ気がする。

ひとまず、アリ追跡を終え、休憩がてら、ぼんやり景色を眺めていると、黒と白の細い「何か」が飛び回っている「らしい」様子が視界に入ってきた。
細い上に素早いので、飛んでいる姿からでは、それが一体何ものなのか、想像すら出来ない。
あえて言うならば絡んだ白と黒の糸くずが、意志をもって飛んでいるような…
イトトンボの仲間にも感じるが、そんなに大きなものではなく、かといって、白黒の「なんだか分からないもの」が飛び回っているのは確かだ。
そして、ようやく捉えた姿が、これ。
    ガガンボ
    ガガンボ(カトンボ)の仲間か?
大きさは、ガガンボ(カトンボ)程度の大きさ。
いや、その姿は、色彩のデザインだけを除けば、ガガンボそのものではないだろうか?
男の子だから虫に詳しいといっても、大抵の場合、カブト虫やクワガタなどの甲虫類が中心だ。
こんなヤブカの親分のようなデザインのガガンボらしき生物の名前を、さらっと言えるなんてのは、よほどの昆虫好きだろう。
ということで分かりません(笑)
ちょっとピントが甘いが、もう少しまともな姿を撮影できたので、それで勘弁して頂きたい。
    ガガンボ
    絡まった白と黒の糸が飛び回っているように飛んでました。
さすがに、飛び回っている昆虫の姿を収めることは不可能に近いが、こうやって小さな世界を眺めるというのはとても面白い。
    米粒
    一体、何を撮っているんだろうねぇ、と自問自答中(笑)
ちなみに、これはベンチの上に落ちていたご飯ツブ。
昆虫の卵でもサナギでもなく、誰かが落としていったもの。奥に見える茶色い粉は、おそらく「おかか」だろう。
いやぁ、小さな世界の覗き見る事は面白い。

根羽村くんだりまで行って、這いつくばってアリを撮影するのも何だかな、と思うが、現像の手間もお金もかからなくなったデジタルカメラなら、気軽にこういう世界も楽しめる。
ここまで寄らせてもらったバッタ君。
    バッタ
    少しずつ前に寄って、すかさず撮影。
画像は縮小してあるが、オリジナル画像に収めたバッタの体長(触角除く)は、約1800ピクセル。
ピクセル等倍ならば、頭の大きさだけで↓こんな画像になっている。
    等倍
    思ったよりもピンぼけしてますなぁ。

各所に点在する道の駅、実は、この「ネバーランド」もそんな道の駅の1つだ。
おそらく、行楽地に向かう人たちへ、一時の憩いを提供するための場所であろうが、カメラを片手に持っているだけで、丸一日過ごす事も苦痛ではない。
色々な設備が整っているので便利な上に、蕎麦や牛乳はもちろん、リンゴだのブルーベリーだののジュースが美味しくて、下手に混んでいる観光地よりも居心地がよい。
まぁ、根が貧乏だから、こういう事でも十分に楽しめるのだろうが、下手に贅沢するよりも幸せな人たちの部類に入るかもしれない。
いや、遠くまで行って、アリ撮って帰ってきました、ってのはむしろ贅沢なのかもしれないな。


追記:
ちなみに、本来の目的は「根羽村手仕事市」に行く事デシタ。
足を運ぶのも2回目で、流木アートのオッちゃんが顔を覚えていてくれたのは嬉しかった。
オッちゃんは暇になると楽器を奏でているので、すぐに分かって楽しいのだが、それだけでなく、色々な作家さんが、木工、陶芸、ガラスにビーズ、革や金属、染色などの作品を持ち寄って即売をしている楽しい市場だ。
11月末日までの毎週土日に開催中。作品の出来もさることながら、作家の人とのお話も楽しいので、行楽の秋、ぷらりとドウゾ。
(思ったよりも、寒いので1枚余分に持っていっても良いかと。)
本日の好日度:★★★★☆ 「台風前だったので、ちょっと天気が残念でした」