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だらり東京、ひとり旅 〜東京・谷中とか〜


2008/02/01
東京出張。
ちょうど振替休日なんぞが余っていたので、そのまま一泊してみた。
もちろん、宿泊は自腹だが、たまにはそういう事も楽しかろう。
と言うことで、特に目的はないが、1日ブラブラと歩いてみることにした。
歩き回って、その場で気づいた事とか、感じたことを適当にメモをしたものの再編成という、少々、風変わりな「お出かけ」レポート。
宜しければ、ドウゾ。

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朝、ホテルを出る。
この手のビジネスホテルは、大抵の場合、ルームキーを機械に突っ込んで清算するタイプだが、やっぱりここも例外ではない。
到着した時は「いらっしゃいませ」と手厚く迎えられたのに、帰りは「機械で」と言われているようで、少々寂しいモノがある。
幸い、特別番組視聴の追加料金もないので、追加請求は0円。
どこかしら物寂しい、チェックアウト。

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とりあえず、荷物が多い。
御徒町からとりあえず東京駅のコインロッカーに向かう。
愛知県民など、日常的にSuicaを使う機会がないのに、何故か携帯電話にモバイルSuicaを入れている。
単に、そういう仕組みが好きなだけだが、慣れてしまうと便利だ。
東京滞在中、1枚もキップを買わなかったが、これは、ペーパーレスのエコロジカルな仕組みじゃないのか。

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コインロッカーに荷物を預け、ついでに、帰りの新幹線の予約をする。
大体の時間を指定して、いざ、予約を確定しようと思った瞬間「とりけし」をタッチして、一旦キャンセルする。
おもむろに、柱に貼ってある時刻表を確認。「N700」の文字を探す。
別に、鉄道オタク、いわゆる「鉄」というわけじゃないが、多少は「鉄分」を含んでいるようだ。
再び、予約でN700系の座席を確保。
しかし、予約画面をよく見れば、「喫煙席」が選べないのがN700系だと言う事に気付く。なるほど、全席禁煙だからか。
当たり前の事で、阿呆のように感心する。

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腹減った。
特に何という訳ではないが、何となく秋葉原を目指す。
何となく頭に浮んだのが、秋葉原の電気街口を出て、すぐの所にある立ち食い蕎麦屋だったからだ。
そのまま山手線に戻るが、10時を回っているのに、結構な勤め人風の人が乗っているのに驚く。
そう言えば、前日に会った人の会社などは、出社時間があるようでないような話をしていたが、アレとも事情が違うようだ。
何にせよ、秋葉原で降りて愕然とする。
改装工事か何かで、蕎麦屋がない。
近所で他を探せばいいのに、何となく意地になって、そのまま御徒町方面に歩き始めた。

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ブラブラ歩くのは楽しいが、秋葉原の萌え萌え商魂は食傷気味。
まだ店が空いていない、少々、閑散とした街のあちこちで、大きなお乳の女の子のアニメポスターが笑顔を振り撒いているのは、むしろ物寂しい。
そう思うと、御徒町から上野界隈の方がむしろエキサイティング。
いや、あまり観光地で定番を観光をするのは好きじゃないので、お台場もネズミ園も行った事はないという有り様だが、こういう街歩きの方が楽しいという性分は安上がりかも知れない。
そして、朝は「富士そば」の「コロッケそば」で十分だし(笑)
つーか、安いなぁ。

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そのまま、上野方面へ歩く。
11時前だが、もうあちこちが魚臭い。
いや、あの界隈はあれが普通だから、別段不快ではないが、どう見ても毛蟹を買ってぶら下げていっても困るだろうという風貌のモノに「千円、千円」と言うのは職業病か。
そう言えば、あちらこちらから、独特のソウルフルな声で「千円、千円」と言っている。
カニも明太子も、とにかく「千円」のようだが、上野の基本通貨は「千円」なのかもしれない。
しかし、上野といえば、その昔、イラン人がニセテレカなどを「しぇんえん、しぇんえん」と売っていた記憶があるが、もしかしたら、何でも「千円」は、あの「しぇんえん」が起源じゃなかろうか?

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上野のコーヒースタンドで一休み。
名古屋のモーニングサービスならコーヒーに、いやというほど「サービス」が付くが、こちらでは付かないので、ついでにトーストなどを追加してみる。
いや、さっき、コロッケそばを食べたばかりだったのに。
席についてみると、出張のサラリーマンと思しき姿が目に入る。
スーツに身を包んだ若い彼は、ニンテンドーDSに夢中になっている。
ほどなく携帯電話が鳴った。
どうやら「メールを見たか?」という用件のようで、慌ててノートパソコンを開く。
メールをチェックしつつ、DSをやりつつ、日本のサラリーマンは忙しいなぁ、とつくづく思う。
しかし、電車などで携帯ゲーム機に夢中になっている人を見かけるが、あれは真似できない。
さすがに恥ずかしい。
せいぜい、携帯電話でこっそり麻雀ゲームをする程度。
同じか(笑)

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モバイルSuicaといえば、こちらに来た初日。
何故か「携帯電話でキップが買える」と勘違いをして、携帯電話を握り締めて券売機に足を向けたのはご愛嬌。
握った携帯で、そのまま改札を通ったが、顔は苦笑。

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日暮里に向かう。
「かえる屋ケロリン堂」に足を運んでおかねばならぬ。
到着すると、下町っ子の店員さんがお店番。
屈託のない下町話はとても面白い。
さすが、かえるの店だけあって、冬場の平日は客足も冬眠しているかのよう。
ダラダラと話をしていると、店内の電話が鳴る。
オーナーのともさんから。
どうやら、先日のサイトで東京に滞在している事を書いたので、「もし、mizunoさんが立ち寄ったら」という事を店員さんに伝える電話だった。
幸い、当人が目の前に居る。
こういう偶然は面白い。
ひとまず、お茶の約束をする。

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さて、まだ約束の時間まで少々ある。
谷中界隈をブラブラと歩いてみることに。
谷中小学校前を通ると、休みか?と思うほど静まり返っている。
子供の声のない小学校。最近はうるさいと苦情を寄せる人もいるとか。
何だか世知辛いねぇ。

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歩きながらつまむ「谷中メンチ」は、やっぱり美味い。
特にブランド信仰はないが、有名になり、その手の客が増えた店は臆面もなく1個買いが出来るのでありがたい。
幸い、風があるものの太陽が照っていて、日向なら、さほど寒く感じない。
まぬけ面をして、メンチカツを食べている最中に、重大な事に気付く。
「谷中ぎんざ」は、東西に伸びていたのか!
頭の中では、南北だと思っていたが、ちょうどお昼時の影は、その通りが東西に伸びていることを証明している。
方向音痴じゃないと思っていたが、位置関係は覚えていても、方角ってのはいい加減なモノだな。

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そう言えば、それほど休む事無く歩き続けている。
アホだなぁ。

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あまり行かない方へ足を向けてみる。
これ以上行っても、何もなさそうだな、と思ったときに唐突に「坂」を見つけた。
抜けるような青空に、緩やかながらも長い坂がそこにあったので、面倒臭がらずに、カメラを出してみた。
    富士見坂
登ってみると、ここは「富士見坂」というらしい。
富士山が見える、とか看板が立っているので、そちらを眺めていると、確かに薄っすらとそれっぽいものが見えるようだ。
    富士見坂
晴天だが、薄っすらと見える稜線は、あれが富士山なのかな、と思う程度にしか確認できない。
    富士山?
しかし、持ち帰って画質を調整したら、くっきりと富士山が浮かび上がってきた。
    富士山!
霊峰富士が、こんな大きく見えていたとは。
手でも合わせて、拝んでおくんだった。

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日暮里の駅前は、ここ最近、何時足を運んでも工事をしている。
工事の終わった駅構内は、ずいぶんと「あか抜けた」気がするが、豊田の田舎者に言われても嬉しくはなかろう。
それにしても、駅前にこんなもの、あったっけ?
    高い
Sim Cityというゲームを思い出す。

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最近、歩きタバコを規制する条例が増えている。
この界隈もそうなっているようだが、チラホラと歩きタバコのオッサンを見かけたな。
大阪ほどじゃないが、結局、やる奴はやる。
しかし「歩きタバコ」とは、こういう意味ではない筈だ。
    歩きタバコ
タバコが歩いとるがな〜!

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悪い癖で、カメラを持つと、妙なものばかりに目が行ってしまう。
そこを通るたびに、前々から気になっていた看板も、やはり撮ってしまう。
    自信過剰?
「中華料理だけです」と堂々と言い切っている。
この過剰なまでの自信が好きだ。

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再び、ケロリン堂に向かう。
毎度の事だが、店の前の通りは、結構、車の通りが激しい。
さほど広い道ではないのに、道幅とは無関係に多くの車がやってくる。
    狭い道幅
確かに、日暮里駅の北口に抜ける近道かもしれないが、ここは通学路だぞ。自重しろ。

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ともさんと「カフェ」に向かう。
よく見れば、この谷中界隈、洒落た造りの喫茶店が多い。
コーヒー頼んだら、トーストにサラダにゆで卵に、何故か茶碗蒸しまで付いてくる「喫茶店」とは違って「カフェ」だ。
オススメのお店に連れて行ってもらうが、途中、再び谷中小学校の横を通った時は、休み時間らしく、結構な声が聞こえていた。
ガキ、うるさい(笑)

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喫茶店では、面倒なので「アメリカン」と言って済ませているが、オススメのクリームの浮いた冷たい紅茶は、歩き回って火照った身体にちょうど良く、甘さも上品で「ああ、ここはカフェだ」と思う逸品。
今後は、面倒臭がらずに、メニューを見ることにしよう。

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そう言えば、ゆっくりとお話するのは初めてか。
色々な意味で新鮮で面白い。
時折、ケタケタ笑いながら話していたのだが、反対の隅に座っていたカップルと思しきテーブルで、女性の方が、えらく深刻な顔で話しつつ、感極まって、泣いたりしている。
いわゆる「男女の修羅場」という話題ではなさそうだが、一方が高気圧なテーブルで、もう一方は土砂降り。喫茶店とは不思議な空間だ。

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お店に戻って、更に世間話を続ける。
色々な視点があって面白い。
ただ、そこに立ち寄って面白がっている人間の視点と、そこに住んでいる人の視点は、やはり違う。
時間を忘れて話し込む。

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日暮里駅まで、オススメのコースで帰ってみる。
駅の南口に向かうコースは、道が広くて歩きやすいという話。
確かに、広くて歩きやすいが、谷中霊園の中を突っ切るコースで、別の意味でスリルがある。
葉っぱのない巨木が、異様な風景に見え、あちこちでカラスが鳴いている。
シチュエーション的には、ゲゲゲの鬼太郎が出てきても不思議じゃない場所だが、霊園の中を、普通に道路が通っているのは珍妙な風景だ。
でも、夜に通ったら不気味なんだろうな。

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一応、秋葉原に寄る。
どうして、こんなに人が溢れているのか。
どこで買っても変わらないような、メモリーカードを買う程度。
いや、SD2GBが2000円も出さずに買えるようになったとは、時代の流れはすごいものだ。
それにしても、駅前名物のメイドさん、冬はコートを羽織ったり、マスクをつけているようだが、あれではメイド魂に反するだろう。
とりあえず、萌え萌えの街を、早々に切り上げる。

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神田を過ぎた頃、Suicaで改札を通った事を思い出す。
新幹線に乗ろうと東京駅に向かっているのだから、もう、帰りの乗車券を改札に通さなきゃならないはずだったのに。
似たようなことをして名古屋に帰ったため、データ上は半年ほど山手線を回っていた事になっていた昔の経験を思い出して、馬鹿馬鹿しくも、一旦、東京駅で改札を出る。
何だか、間抜けな話だ。

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東京駅のカレースタンドに立ち寄る。
ちょうど食事を終えたらしいオッサンの隣に座る。
このオッサン、爪楊枝をしゃぶりながら、しきりにチュウチュウチュウチュウと下品な音を立てている。
耳障りな上に、極めて不愉快だ。
後は、単なるクソ袋になって定年を待つだけのオッサンなど、こういうモノかと哀れになったが、ここでガツンと言うべきだったろうか。
ガツンと言えないから、ここでこっそり書いている訳だが、せめて、ああいうオッサンにはならぬよう、気をつけよう。

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何だ、最近の駅構内の充実振りは。
「エキナカ」というのか、生演奏までやっている始末。いや、新鮮だ。
休日に、ライン労働者が行き場がなくてパチンコ屋で列を作っているような自動車の街に比べて、都会のこういう多様なイベントの存在は、そのまま「文化」の違いにつながるだろう。
文化格差。

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お待ちかね。
鉄道オタクじゃないが、体内の微量な鉄分が喜ぶ「N700系」だ。
    N700
真新しい車体の中、清掃作業が行われている。
いそいそと掃除するオバちゃんだが、あのようなピンク色の制服を着せる意図が分からない。
なんかの罰ゲームか。
むしろ、割烹着の方が「和風」な感じがして良いと思うんだが。

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そんな訳で、長旅も終わりを迎える。
気が付けば、ほとんどの場合、歩きっぱなしという過酷な散歩の1日だった。
せっかくのN700系も、気が付けば「ただいま、三河安城を通過しました」という熟睡っぷり。
いや、どちらにしても、乗ってしまえば普通の新幹線。コンセントがあるのが新鮮だが、むしろ、外見を見ていた方がありがたみがある。
    N700
降り立った名古屋駅、第一声は「寒ぅ!」
何とかカメラを取り出して、乗ってきた新幹線を見送ったが、名古屋がこんなに寒いとは思わなかった。

レポートはここで終わるが、これから豊田まで、更に1時間ほどかけて電車に乗らなければならない。
携帯電話にメモしてきた話題で、読み物になるんだろうかと考えつつ、棒のようになった足で地下鉄の駅に向かう。
キップを買うのが、こんなに面倒臭いとは思わなかった(笑)
いや、それで名古屋に帰ってきた実感が湧いた。
本日の好日度:★★★★★ 「散歩欲が満たされて」