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せんべいを食べさせたい 〜奈良県・東大寺とか〜


2009/09/20
mizuno-ami
動機は単純。
    鹿にせんべいを食べさせたい
それだけの事で、奈良県の東大寺を目指して出発したのはシルバーウィークとか称する連休2日めの日曜日、11時頃。
手に持ったのは「るるぶ京都・奈良」というムック本1冊。カーナビもなければ、詳しい地図も持たない状態は、即ち情報弱者とよぶに相応しい状態。
東海環状道を1時間も走れば、当然ながら、こういう目に遭う。
    渋滞1
そのまま1時間ほど走っても、さして景色は変わらない。
    渋滞2
そんな状態がずっと続いて、今日中に奈良に到達できるのか?という空気が車内を支配するが、新しく出来た『新名神』は、亀山から草津のジャンクションまでが、とてもきれいな道路で、快晴の下のドライブは、そんな渋滞のことを忘れさせてくれた。
その後「るるぶ」のペラペラの地図1枚で迷うことなく、気持ちよく東大寺付近まで到達するのだが、結局、ここも観光地。
気付けば、春日大社の駐車場を待つ車列に並ぶ始末だ。
    渋滞3
ファイルのタイムスタンプは16:00となっている。ああ、5時間ほどかかって走ってきたラストが渋滞とは、何だかガッカリ疲れてしまう。
ようやく、車を置いて東大寺方面に足を向けると、おお!鹿だ!
    渋滞3
いや、もう、久しぶりにカメラを持ってきたので何だか勝手が分らずピンぼけまでしちゃっているが、先ほど、ウンザリしながら並んでいた渋滞道路の横に、多量に鹿が居るではないか。
何という、サファリパーク!
こうなると、たくさん鹿が居るという『南大門』の方を目指そうという気になる。
やや難しい言葉でいえば、モチベーションの向上だ。
と、広場をショートカットしようとすると……
    鹿の糞
鹿の糞……

奈良の春日の青芝にぃ〜♪
    奈良の春日の青芝
腰をおろさなくても、鹿の糞なのだ。
    鹿の糞
ここに来て、気にしていては話にならんとは言え、一度気になりだすと、大変な事になるので、見て見ぬふりをしながら鹿の方に向かう事にする。
(小さなお子様連れの親御さんは、絶対にお子様から目を離さない事を推奨する)

さて、鹿、鹿と見渡してみると、居た居た、って縁日のような雑踏の横で、我知らずといった感じで横たわっているではないか。
    鹿@堂々と
とりあえず、鹿せんべいを買ってみる。
    鹿せんべい
150円也。
オバちゃんの説明では「紙も一緒に食べますよ」とのこと。そいつは、無駄が無くて良いや。
奈良の鹿に対して「とてつもなく凶暴である」という予備知識はある。
ソースはコレ↓
    鹿に襲われる柊つかさ
おそらく、鹿せんべいを持っていることが知れれば、飢えた鹿どもに囲まれる事であろう。
草食獣とは言え、油断は出来ない。
おそるおそる、鹿せんべいを見せてみる。
    鹿、無視
鹿、興味なし。鹿にシカとされる……orz

そりゃそうだ。
これだけの渋滞を生んでいる観光地。おそらく、鹿より人の方が多い事だろう。
    人、多い
こんなに人が押し寄せ、朝から、多量の鹿せんべいが振舞われているのだから、もう夕方4時も30分を過ぎようとしている頃、いい加減、鹿だってウンザリかも知れない。
奴らの目をみると、まるで「せんべい以外なら頂きますが」と言っているようにすら見える。
    しかじか
ああ、テンションが下がる。
    しかふん

仕方がないので、レジ袋の代わりにしているマイバッグに残りの鹿せんべいを片付けつつ歩いていくと、ほどなく、東大寺の南大門に到着する。
    南大門@東大寺
何だかなぁ、この大きな建造物は。
    南大門@東大寺
阿呆のように感心しながら、門をくぐると、大きいオッサンが左右から睨んでいるのが見える。
    南大門@東大寺
    南大門@東大寺
どちらか一方でも動き始めたら、全力で逃げるか謝るしかないような風貌をしているが、これを彫った人が、どういう顔をして日々、作っていたのか、とても気になるシロモノだ。
やや、急な階段を、ここ最近痛んでいる腰を守りながら降りてゆくと、こちら側にも居るじゃないか。鹿。
    鹿@東大寺
すっかり人間に慣れてしまい、近寄ろうとも知らん顔をしているが、カメラを向けるとそれなりのポーズを取ってくれる辺りに観光地らしいサービス精神を感じる。
そして、1ポーズを決めた後は「もう、良いんでしょ」とばかりにポーズを崩すのも、また一興だ。
    鹿@東大寺
それよりも、鹿に近づこうとするたびに、気にしなきゃならないアレの存在のほうがガッカリだったりする訳だが。
    糞@東大寺
大仏殿近くにいた、少し若い鹿は、さすがに胃袋に余力があるのか、襲い掛かるほどの勢いは無いが、お茶を一緒に飲む程度の義理でせんべいを食べてくれる。
ついでに、若いから鳴くのか知らないが、妙な声で鳴いていた。
    若い鹿@東大寺
鹿の鳴き声というのは聞いた事が無かったが、勝手に頭の中で想像していた声と比べると「おまえ、ふざけてるのか」と真顔で叱りたくなるような声だ。
この、憎たらしい顔を見れば、少しはそのイメージが伝わるだろうか。

続いて、大仏殿の前、中門だ。
    中門@東大寺
こちらも大きいなぁ。
本当に、奈良時代の建物なのかにわかに信じ難いが、こういう建造物は短期間で建てる事は出来ないだろう。
いつも「明日から本気出す」などと言っているニートなど、さっさと本気を出さなければ、プレハブ1つ建てる事が出来ないのだから、今すぐにでも、遅れた分を全力で取り戻すべきだ。
さて、この中の大仏殿、中は「16:30まで」と、るるぶかサイトで見た覚えがあるが、どうやら17:30までOKのようだ。
せっかくなので、見ておこうと思った17時少し前。お一人様500円也で中に入る。

うぉおお、あれが大仏殿か。
    大仏殿@東大寺
見ろ!人がゴミのようだ!
仏教がどれほどの勢力を持っていたのか知らないが、このサイズは信仰心とかそういうモノではなく、単に人を驚かせようと思って作った代物じゃないかと思うほど、大きすぎて呆れてしまう。
いや、もしかしたら、奈良時代の人間は平均身長が3メートルくらいあったんじゃないか。
    大仏殿@東大寺
さて、大仏様とご対面だ。
    大仏さん@東大寺
月並みだが、デカい、という言葉しか思い浮かばない。
もし、この大きなオッサンが、ヨルダン川の川べりに現れて、何らかの説法でも行えば、歴史は色々と変わっていたんだろうが、ここでこうやって座っているから、右の頬を叩かれたら、左の頬が無くなるまで反撃するような国が勢力を握っちゃってるんだろう。
それにしても、写真が暗いな。はて、EOSって、この程度だったっけ?
比較のため、ケータイで撮ってみよう。
    大仏さん@東大寺
ありゃ、何だかこちらのほうが良いなぁ。
まぁ、それは仕方ないとして、この大きな人は、絶対に夜中、出歩いているに違いない。
    像@東大寺
また、この瓦は絶対に夜中に笑っているに違いない。
    瓦@東大寺
こちらは、ケータイで撮影した小さい方。
    仏@東大寺
ちなみに、その「大小」は比較の表現であり、小さい方でも本気で暴れれば、幾つかの市町村が壊滅する程度の力はありそうだ。
ぐるりと、大仏さんの背面を一回りして、自分なら絶対に通れないような柱の穴にチャレンジしているオジサンを眺めながら、ふと大切な事を思い出した。
    大仏@東大寺
最近、外ばかりで撮影していたためか、単にボケたのか、カメラにある「ISO」というモノをすっかり忘れていたのだ。
そんな訳で、ISO=800に感度を上げて撮影すると大仏さんの姿も、くっきりと浮かび上がる。
こんな根本的な事を忘れているのは致命傷だが、先ほど、線香の煙が頭にかかったのが良かったのだろう。
気を取り直して正面から。
    大仏@東大寺
どこかしら、そそっかしい奴め、と笑われているような1枚になった。
いや、ありがたや〜

大仏殿の隣に、赤い服を着たオジサンが座っていた。
    赤服@東大寺
周りの人の話では、悪いところを撫でるとか何とか喋っているのが聞こえるので、最近、痛くなった腰の辺りを丹念にさすってみる事にする。
大きなオジサンの腰の辺りを撫で回す、という行為に浸りながら、その顔を眺めてみると、どこかで見たような顔をしている事に気付く。
誰だろう?
テレビに出ている人だと思うのだが、心当たりはありますか?
    赤服@東大寺
ああ、吉本新喜劇に出ている、あの人だ!
    島田一の介さん
罰当たりな話かもしれないが、似ているものは似ているとしか思いようがない。
    赤服@東大寺
何となく「田中角栄のモノマネ」が聞こえてくるようだ。


土産物屋を冷やかしているうちに、大仏殿の閉館時間となる。
南大門の大きなオッサンに「さようなら」をして帰途につく。
    はい、さようなら
    「はい、さようなら」
春日大社の方の駐車場に向かって、薄暗くなった砂利道をトボトボ歩いてい行くと、数匹の鹿が群れているのに遭遇する。
南大門の付近の連中と異なり、遠巻きにしてこちらの様子を伺っている。
ふと、マイバッグの中の鹿せんべいの存在に気付き、ちらつかせてみるが、近寄ってこないので、仕方なく投げてみる。
食べた!
と思ったら、まだ警戒しつつも、集まってくる。
    「それ、くれるの?」
    「おい、みんな、食べ物くれるってよ!」
    「わぁい」
そんな感じで集まりつつも、ガツガツしている訳ではなく、決して柵から出てこないのだが、何となく、ここで当初の目的である「鹿にせんべいを」を堪能した気分。
鹿せんべいルールに従い「もう、ないよ」のジェスチャーと共に、その場を辞したが、先ほど、無駄に買ってしまったと後悔した鹿せんべいを、今は、もう少し買っておくんだった、と後悔した訳だ。


さて、思い立つように足を運んだ奈良の鹿。
滞在時間2時間ほど、自動車に乗っている時間が10時間ほどという行動履歴の中、当然の事ながら、帰り道も渋滞が待っていた。
    渋滞4
しかし、渋滞は別にしても、京都や奈良などは思った以上に行動範囲内なのだな、と思った好日。
ちなみに、高速道路は1,000円ではなく、片道で、1,500円+300円+50円 = 1,850円でした(ETC使用)
本日の好日度:★★★★☆ 「うんこだらけ」