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水めぐり・酒めぐり 〜長野県・松本市界隈〜


2010/08/13・14
mizuno-ami
観光シーズン+帰省シーズン。
そんな時期の、人の往来が激しいナワテ通りのど真ん中で、明るいうちからビールを飲んでいる。
    エビス+たい焼き
ウインナーたい焼きでお馴染み、『たい焼き ふるさと』が進化して、真昼間からビールが飲めるようになった。
先に断っておくと、酒は常飲しないし、さして強くもない。そんな身なので、大抵はウーロン茶をすすって運転手という役が割り当てられるのが日常。
しかし、今日は違う。泊まりだ。自動車依存社会から脱する、非日常的な連休の始まりなのだ。
だから、酒に弱い自分が、こうしてビール片手にウインナーたい焼きを食べていても不思議じゃない。
と言うか、何だこれは!?
もはや、準常連の身だから、ここで褒めても、ただワザとらしく感じてしまうかもしれないが、焼きたてのウインナーたい焼き(中身は、マヨネーズ+軽く七味)にビールがこれほど合うとは。
正直言って、予想をはるかに超えていた、とベタに褒めする以外に何も出来ない。
そして、この場所だ。
ナワテ通りの中央近く、人の往来が多い場所で、ドカっと腰を落ち着けてビールなど飲んでいると、行き交う人の視線が羨望の成分を含みつつ「まだ、明るいのに」という感じに伝わってくる。
特に、家族連れのお父さん風の人々の羨望ビームは、変化球のない直球で、汗をかいたグラスに届くが、明るいうちからビールを飲んでいるような人間はクズであると呼ばれるならば、喜んでクズと呼ばれましょうぞ、と言うくらいツマミになるのだな、これが。
道路で座り込んで、ワンカップ飲んでいるおっさんの優越感が少し分かったよ、いや、痛いくらい理解したよ。
到着早々から、ビールで堪能したひと時、街路樹のセミも笑っているかも知れない。
    みんみんぜみ
と言うか、セミだセミ。
愛知県民なら、馴染みのセミはアブラゼミだろう。
茶色い翅をしていて、子供の頃、嫌というほど捕まえたが、こんな小汚いセミじゃなくて、図鑑に載っている「透明な翅のセミ」に憧れを抱いていたのは私だけではあるまい。
最近は、クマゼミも多くなったが、あの「しゃあしゃあしゃあしゃあ」と聞いているだけで暑さが増すような下品な奴じゃない。
そんな幼少時代に育ったので、このミンミンゼミが珍しくもうらやましい。
あちらこちらで、鳴いているが、大人になった今でも、珍しく興味深い。
    みんみんぜみ
しかし、良い事ばかりでもないようだ。
セミの成虫は短命だ。
夏の短い松本では、もう、道路に転がっている奴が少なくないが、翅が透明だから認識し辛いのだ。アブラゼミなら、大きな茶色い塊として踏む事はないが、ミンミンゼミは小石くらいのボディしか見えないので、思わず踏んだり蹴ったりしそうになる。
「何か嫌なもの」を踏んだ時に、足裏から伝わる感覚は、それが靴底越しであっても、ダイレクトに届いているんじゃないかと思えるほど脳を直撃するが、踏むと嫌なものリストの上位には、犬の糞に次いで昆虫がランキングされている筈。
樹上のセミばかりではなく、足元も見なければならなくなって、散策が忙しくなった。
これなら、アブラゼミの方がマシだ。

さて、早めの夕食として『じゅげむ』でうどんを食す。
レトロな網戸を通った涼しげな川風が、ほろ酔いの顔を撫でてゆく。
この落ち着く雰囲気は何だか分からないが、この場所から眺めるナワテ通りも、先ほどの「外ビール」とは違った雰囲気があり、とても素敵だ。
炭水化物を胃に詰めた酔っ払いは、食後の運動を兼ね、ナワテ音楽祭とやらの音楽を眺めつつ、ふらりと『ふるさと』に戻る。
いや、もう時間は『たい焼き ふるさと』ではなく、8月から始まった第2ステージ『Uo cafe & Bar』の時間だ。
    Uo cafe & Bar
昼のビールに加え、夜に「少し大人の時間」が始まったのは、客単価の問題か、業務の拡張か、その理由は知らないが、何にしろ面白い事が始まったのは確かだろう。
ごちゃごちゃしていた内部も合わせて改装され、あらぬことか、カウンターまであるではないか。
    Uo cafe & Bar
奥に見えるのは、川面を眺めながら飲める、リバーサイドビュー。
いや、まぁ、勘違いしたカップルが夜景目当てに来られると、多分、困るので、湾岸ほどの夜景は望めない事は正直に書いておく。
そして、ちょっとしたサプライズ商品がこちらになる。
    かえるビール
「いやいや、かえるビール、って何?」って話だが、こちらも唐突にラベルのデザインをお願いされて仕上げた作品。
お願いされたのは良いものの、ウチのセンセイが描けるカエルは、これで精一杯。
    カエル
「まさか、こういう絵柄のところにリアル系の注文があるわけがない」と思いつつ、確認してみると、果たして、その要望は『リアル系』のカエルだ。
さて、どうするか?
もしここで、適当にネットで探して模写すれば『トレース疑惑』として叩かれるのがオチだろう。いや、オリジナリティに欠けるので、実際に、カエルを捕獲し、観察しつつ、何枚かの写真を写した中から仕上げる手法としてみた。
そう、「Palmなお部屋」の7月31日の日記は、その伏線になるが、そんな仕上げによる完全オリジナル。
カエル好きの皆様の心に届くレアアイテム(数が少ないので店頭でしか買えない)として可愛がって頂ければ幸いかと。という宣伝をしつつ、お役所仕事の関係で、登場はお盆明けになってしまう事を、但し書きとして付け加えておく。
中身は、普通に地ビールなので決して、生臭いとかありませんというか、夜の部の第1本目は、これの試飲から開始。ええ、ビール、普通においしゅうございました。
宣伝はさておき、この夜の部でも、昼と同じ場所に陣取って飲み続ける始末。
    かえるの宴会
普段なら、中ジョッキ1杯で宴会1つが済んでしまうほどの量しか飲まないが、気付けば、さらに2本くらい飲んでいたようだ。
合わせて、おつまみに「スパムたい焼き」を頂いたが、写真がない。
まぁ、暗いし酔っているし、ビジュアル的にはたい焼きだし、という理由で撮っていないが、缶詰のスパムにトマトとチーズ、キャベツを合わせて挟んである「たい焼き」は、スパムの歯ごたえが、魚肉ソーセージに似ているので、思わずたい焼きの形から「本当の魚を食っているんじゃないか」と脳が感じてしまった。 しかし、その味自体は、ビールに合うおつまみ風。一本焼きのたい焼きは、和菓子的というより、甘くないアメリカンドッグ風のやや揚げ物系なので、ビールに合って当然か。
ただし、発展途上なので、ケチャップやらタバスコやら、仕上げはお客の判断に委ねられている。そして、この、改良の余地アリ、という意見はどんどん受け付けてくれるようだ。
将来『Uo cafe & Bar』が全国展開し、100号店あたりが出来た頃、「あのメニューは、ボクの助言で」という「ワシが育てた」的発言を夢見るなら、素直で前向きな感想を伝えるのが良いだろう。
幸いと言うか、残念と言うか、口に入ったものが全部美味しいモードの今は、「このスパムたい焼き、おいひいです」と言うのが精一杯デシタ。

さて、おひょいさんイラストの描かれたコースターを多大に褒めてくださった、とあるお方と盛り上がるイベントなどもありつつも、ほろ酔い加減でその場を辞して、夜の松本城に足を運ぶ。
酔い覚ましじゃなくて、お散歩でしゅよ、お散歩。
ちなみに、松本城の堀は、特に柵がしてあるわけじゃないので、落ちようと思えば簡単に落ちてずぶ濡れになれるカッパ仕様。
夜になっても、状況は変わらず、ライトアップがあっても、暗い場所は暗い。
自己責任とは言え、こういう潔い態度は良いなぁ。
そして、三脚も持たずに夜の松本城を見た酔っ払いは、その酔いが醒めそうなキレイな景色に再びカメラを取り出してみる。
幸い、工事中の柵の横にある三角コーンが手ごろな土台になりそうだ。
と言う事で、写してみました、夜の松本城を。
    松本城
何か知らんが、よく写っている。
状況は小雨で、かつ、鯉やら虫やら鳥やらが勝手に動いているので、水面がなかなか安定しない。
これを写した後の1枚は、もう、鳥が高速移動して波紋を広げてしまってボツ写真。
    松本城の堀
いや、なかなか楽しい1日目でした。


◆ ◆ ◆ ◆ ◆

2日目は、朝からキチンと起きて朝食。
当たり前のようだが、松本に来て、こんなにのんびり朝食なんて、いつ以来だろうか。
大抵は、かえるまつりの準備であたふたしているが、今日は楽しい観光客。
朝からガストで目玉焼きご飯を食べる事が、普通に朝ごはんを食べられる事が、こんなに幸せだとは。多分、今時の子供は、朝飯食わせて貰ってないから、不幸な目をしているんだろうが、そんな世間の事情とは無関係に、当方は、飲んで寝ちゃったから、腹へっているだけなんだろうなぁ。
でも、空腹は最高の調味料なので、そんな朝食でも、十分に満足。そして、車に乗り込み、松本市役所に向かう。
10時を回っていたとは言え、驚くほどの観光客が松本城に向かっている。
いくらシーズンとは言え、昨夜の事を思い出すと、その数のギャップに驚かされる。
何だか、人知れず堪能した気分になり、少し優越感を味わう。
優越感と言えば、知っている人は知っている駐車場事情。
松本市役所の駐車場は、休日に無料開放されており、早い者勝ちだが、空いていればタダで止められる。10時なら遅いかな、と思いつつ車を向けてみると、幸いな事にいくつかの空きがあるではないか。
おお、これはラッキー。
ここから、のんびりと散策に向かう事にする。

松本市内には、特に観光地化されていなくても、古い建物が平気で残っている。
自転車が止まっていて、表札のようなものがあるので、これは民家だろうか、と思うんだが、この建物が普通にあるのが、この城下町の魅力だろう。
    民家?
三匹の子豚の作者は、日本家屋の建築様式を知らない無知な人物だと思うが、確かに、このレンガ造りなら、色々と大丈夫なような気がする。
そして、カエル好きにしてみれば、レンガの家よりも、塀の上のカエル像の方が楽しめるかも知れない。
    民家?
意外と、こういう「隠れキャラ」を探す旅も面白い。
真面目なのか洒落なのか、分からない貼り紙も「隠れキャラ」とカウントするなら、これも面白い。
    美味しい
いや、普通に美味しいのを作ってよ、とか頼んでしまって良いものか悪いものか。
一度、試してみたいものだ。
ちなみに、歩いている場所が、通りより1本奥になるので、歩いている人もさほど多くない。
松本城に向かう人の群れを見て、少しは覚悟したが、やはり観光地はガイド本よりも足の方が頼りになる。まぁ、それが、仁和寺の法師の二の舞にならなければ良いんだが、それでも、こんな古臭い(失礼)建物の酒屋があったりして、やはり1本裏は面白いのだ。
    三代沢酒店
外観は古いが『三代澤酒店』は、先の『かえるビール』の作成をお願いしているところ、地酒各種にオリジナルのラベル作成とかしているので、気軽にどうぞ、とか宣伝をしておく事にする。
しかし、外観が古いのは三代澤酒店だけではない。この一帯、すべてがこんな感じなのだ。
    松本城下の街並み
真ん中の建物は「スナック&喫茶」と書かれているが、店として機能しているかどうかすら分からない。
ただ、これらが観光客から見れば「変わった風景」であっても、地元の人にとっては「日常」でしかない。こういう、当たり前に暮らす感覚は、実際に、そうなってみないと理解できないものだろう。
おそらく、一方じゃ「珍しい」「お洒落」などと褒めているのに、地元じゃ「古臭い」とか思っている人も多いんじゃなかろうか。そして、「保存派」と「改革派」の争いが水面下で絶えず行われているに違いない、とか勝手に想像して楽しむのである。

水面下と言えば、この松本市内は、あちこちから水が湧き出ている。
例えば、ホテル花月のすぐ隣、『東門の井戸』というのがこんこんと湧き出ていて、その水量に正直驚く。
    東門の井戸
この東門の井戸は、平成20年に整備された井戸で、松本城の東門で、最大の馬出し(城の出入り口に設けられた小規模な曲輪。出撃する時の拠点)があった場所で、城内に町民や農民が入る場合は、この東門から入ったとされている。
意外と、天守閣まで距離があるぞ、ここ。
歴史の重みを感じつつ、実は、この説明は『まつもと水巡り』というパンフレットの受け売りだ。松本市公式ポータルサイト『新まつもと物語』編集によるもので、城下町の水を巡るルートなどが描かれている便利なマップで、昨夜『Uo cafe & Bar』で頂いたもの。
分厚いガイドブックを持ち歩くより、公式サイトからダウンロードして印刷したり、駅や観光案内所などで貰う事を強くオススメする。
オススメコースを辿るのもよし、気になる場所に足を運ぶのもよし、宝の地図を片手に冒険している気持ちになれるのが嬉しいところか。

そんな、宝の地図を片手に、我々一行が目指しているのは『女鳥羽の泉』という湧き水、何でも、日本酒の蔵元があるとかで、行ってみては、と『Uo cafe & Bar』で薦められたという単純な理由。
日本酒の蔵元とか、縁がない世界だなぁ。そういうのは、勝谷誠彦氏に任せておけば良いのだが、まぁ、オススメだから、とりあえず足を運んでみよう、というところか。
軽い気持ちなどと書くと『しかし、この軽い気持ちが、後にあのような惨劇を生むとは』などという展開が待って居そうだが、そんなモノは存在しないので、気楽に読み進めて下さい。

街並みが古いのも良し悪しがあって、例えば、通りの名前を示す看板など、読めなきゃ困るわけで、この写真を見ていただけば「エンギザ→」は読めるにしても、真ん中の看板は厳しいだろう。
    読みにくい看板
寄ってみると、これだ。
    読みにくい看板
少なくとも、車じゃ見えないし、歩行者だって見逃す可能性がある。
そんな事を考えながら、有名な「旧市役所跡地」、今の「市営住宅上土団地」に差し掛かった時の事だ。
    靴をそろえて・・・
木の根元に、靴がそろえておいてあるではないか。
これは、橋の欄干や断崖絶壁にあれば、とんでもない事態を知らせるサインになるが、木の根元も例外ではない。
ついつい、恐る恐る見上げてみる。
    靴をそろえて・・・
もちろん、何事もないが、ぶらぶら歩いていると、こういう小さなことでも面白い。
自販機なんかでも、何気なく置いてある場所ですら、この『城下町バージョン』という始末。
    城下町バージョン
こういう観光地向けのバージョンは、全国、あちこちにあるんだろうが、たいていの場合、「それっぽい作り」でしかない点が残念だ。
この自販機だって、「おお!さすが城下町」と思わせる本気の造詣にしたら、それはそれで面白いんじゃなかろうか。
何故か、「水巡り」よりも「面白ネタ」を探す事に夢中になってしまうが、それはそれで味かもしれない。ついつい、こんな看板とか見て、笑ってしまう。
    零
よく見かけるスナックなどの看板だろうが、2Fと3Fの店名はどうした事か?
本店、支店なのか、それとも季節限定オープンなのか、色々と気になるところ。
気になるといえば、松本市民は「なみだ依存度」が高い市民性なのか?
ゴミを捨てられた魚の泣きっぷりは、半端じゃない。
    魚泣き
不法投棄された空き缶と思しきものの泣かせっぷりも半端じゃない。
    缶泣き
もしかしたら、湧き水と涙の具合が関係あるんじゃなかろうか、と思いつつ、こういうポスター、チラシの類は、全国で似ているようでも、地域性があるのかもしれない。ケンミンショーとかいう番組で調査してみてはどうか。
    売り物件
何はともあれ、密林に埋もれる売り物件を眺めながら、女鳥羽川から路地を1本入ると、程なくして、蔵元と思しき建物を見つける事が出来た。
    蔵元
以前、テレビで作っているところを見かけた何やら玉(杉玉、というらしい)がぶら下がっているのが見える。確か、酒屋の軒下にぶら下げるものだったと記憶しているので、あそこが目的地だろう。
「だろう」とか、結構、いい加減だが、実は、この時点で、目的地の名前すら知らず、ただ「蔵元」という情報だけで足を運んでいる始末。
    善哉酒造
日本酒の知識が乏しい上に、そんなお粗末な情報しか持ち得ていない情報弱者の旅行者一行は、かろうじて、杉玉の向こうにある「善哉」の文字を見つけた。
すでに歩く途中で、古臭い建物をいくつも見てきたので、もはや古さに驚く事はないが、店の前にこんこんと湧き出ている湧き水には、やはり興味をそそられる。
    女鳥羽の泉
茶色い杉玉とは印象的な、緑色の棚の下、沸き出でる水の勢いは、もはや小川が縦に流れ出ているかのような、そのくらいの勢いすら感じられる。
また、多くの人が水を汲みに来るのであろう。じょうごやひしゃくが吊るされているのも、この水の人気の高さを物語っているようだ。
    ビール券
「感謝!速攻!ビール券!!」のキャッチコピー、意外と出来が良いな、と思いつつ、こんなものに目を向けてしまうあたりは、まだ、先ほどのポスター脳からのスイッチ切り替えが出来ていないらしい。
いや、どうしても目に入るだろう、このポスター。
    女鳥羽の泉
さて、店の方に目を向けると、観光客の姿が見えない路地に、近所のおっちゃんと思しい人がトマトをかじりながら、中に居る店の人と思しき人と話をしている。この雰囲気は、よそ者として少し近寄り難いものを感じるが、それでも水に引かれて近寄ってみると、なるほどここにも「湧水群」の看板がある。
    女鳥羽の泉
「醸造用水」という見慣れぬ単語が目に入るが、やはり水が美味ければ酒も美味い、という事の証が、この流れ、いや、湧き水だろう。
これが、都会の公園なら、少ない水を循環させて自然風の小川など作っているが、そんな人口小川が貧相に見えるほど、後から後から湧き出ている水。
『信州』という言葉からイメージするほど、涼しくない、むしろ盆地であるため蒸し暑いといえる松本市内を歩いてきたため、目の前の水を頂く事とする。
    女鳥羽の泉
水の味は分からないが、口当たりと温度、後味などのファクターを思い浮かべて想像するに、これは美味いと感じるレベルと言えよう。もちろん、この湧き水に、若干劣る程度の汗が湧き出ているような状況なので、そこらの水道水だって甘露に感じるだろうが、とにかく、ひとくち、ふたくちと飲んだだけで、いつも飲んでいる水とは違いがありそうだ、と分かるものだったのは確かだ。
さて、湧き水で人心地ついたので、店の入り口でトマトをかじっているおっちゃんの脇を失礼しつつ店内に入る。
    店の中
一歩足を踏み入れると、古臭い雰囲気、いや、実際に古臭い建物の姿に、時間が止まったような錯覚を受ける。
何でも、古い銀行の建物を譲り受けた建物らしい。
銀行といっても、ATMにしか縁のない人間には、今の銀行の窓口の姿すら馴染みがないので、そのイメージは貧しいものでしかないが、古いばかりで何もない、という女将さんの謙遜に、いやいやいや、と1024回は否定の言葉をお送りしたいほど、雰囲気があって良い感じ。この空間で冷えたスイカにかぶりつくような、子供の頃の夏休み的状況を楽しみたいような、そんな雰囲気がある。
    店の中
そんな雰囲気の店内で、若干不似合いと思われるのが左手にある大型のストッカーだろうか。
色々冷やすには効率的なんだろうが、少々、雑然とした店内に、蔵元、造り酒屋などのいかめしい単語が脳内で巡っているので、こういう場所でどうしてよいのか分からず、並んでいる酒ビンなどを眺めて多少緊張などしていた数分前。
しかし、気がつけば、勧められるまま椅子に座って、こんな事になっている。
    利き酒
なるほど、案ずるより飲むが易し、酒屋だから酒で語れば宜しいのか。
大型ストッカーから出され、うっすらと汗をかいた酒瓶。その中身から注がれた、キリリと冷えた日本酒を、(分かりもしないのだが、とりあえず)香りなど嗅ぎながら口にする。
うぉ、何だこれ!?
大吟醸鑑評会出品酒、と書かれた『女鳥羽の泉』は、米で作っているのに果物のようなフルーティーな味が口に広がるシロモノ。
誰だって、塩味の握り飯を食っていた筈の口の中に、果物の味が広がったら驚くだろうが、握り飯なら怪訝な顔をするであろうシチュエーションも、酒となると喜びの表情に変わるのだなぁ。本来の利き酒だと、酔わないように口に含んで捨てたりするようだが、そんなことはお構いなしに飲み干す事にする。
そして、色々と飲み干した結果が、これである。
    利き酒
まだ、お天道様も高い時間から、これである、とか。ああ、今日は良いご身分だ。
そんな、良いご身分で、色々飲ませて貰ったが、それぞれのビンから出てくる日本酒が、どれも味が違う事が明確に分かる事に驚かされた。例えば、先ほどの『女鳥羽の泉』は、品評会用であって、どっしりとした、いかにも「代表で参りました」といった感じがするが、それを普段用に仕上げると、写真左端の『女鳥羽の泉・大吟醸』になり、幾分、スマートになって飲み易くなる。
かといって、単純に矯正下着で引き締めてみました的な安易なスマートではなく、美人姉妹のお姉さんとは違った魅力を持った、美人の妹さんを見ているかのよう。
こういう、姉妹・兄弟関係のお酒は意外と多いらしいのだが、同じ「系列」の日本酒を原酒から試せるのが蔵元ならではの魅力だろう。血筋というか酒筋を説明して頂けるので、飲み比べも、さらに楽しくなる。
また、飲み方についても、色々教えて頂けるのも嬉しい。
例えば、中央にある生原酒『安曇野だより』は、若干、キツい感じがするが、それを注いだ猪口に、表から汲んできた湧き水を数滴足して薄めたものを飲み比べてみると、格段に飲みやすさが増すのだ。この水で割ることを『玉を打つ』というようだが、原酒に玉を打つことで、その口当たりがまろやかになり、並みの酔っ払いの常套句「これなら、何杯でも飲めちゃう」状態になってしまう。
そして、こういう飲み方が美味しいですよ、と教えると、その家のご主人からクレームが届くとか。
曰く「美味い飲み方を教えるから、女房が飲んでしまって、私の飲み分が少なくなってしまう」と。

女将さんの喋りも面白く、人肌で判断していた醗酵の具合も、最近はセンサーによって数字やグラフを見る事が主流になってきているとか。そういった、酒の作り方だけでなく、蔵元の経営形態なんかも出てくる始末。例えば、杜氏の給与が云々、社会保険やら雇用保険が云々といった具合。前述の、センサーのため、一晩中、番をする必要もないから「通い」でやってくるようになったようだが、その「通勤時間」に至っては、普通の会社員と大差がないレベルになっていて、表向き職人が闊歩していそうな蔵元も、その裏は普通の会社として成っている話などが、良いツマミとなり、下手な居酒屋で飲むよりも楽しい時間を過ごす事が出来た。
途中、表を通りがかった「水を汲みに来ただけ」というお兄さんと目が合ったので、にっこり笑って招き入れるという、酔っ払いの習性を踏襲してみたが、おそらく、入るには敷居が高かろう古い店構えも、いったん入ってしまえば、後は飲むだけ。一緒に効き酒などしている始末で、確かに酒は、色々な潤滑油になるようだ。

酒と言えば、そのまま飲むだけではない。
焼酎漬けというモノがあるように、日本酒漬けも存在する。
    漬け用のお酒
『旬の果実を漬けま専科』という、そのままのネーミングのお酒、これで漬けたブルーベリー酒など、美味しいようだ。残念ながら試飲するものが出来ていないとの事なので、文末が「ようだ」になっているが、代わりに、その元となる地物のブルーベリーを頂いた。いやいや、「代わりに」という事自体がおかしいだろう。もう、何でも出てくる前提になっているではないか。
ちなみに、私事だが、ブルーベリーの実は、さほど好きじゃない。しかし、これを食べてみると、少し意識が変わる、いや、変わった。そして、これなら「漬かった頃に、もう一度足を運ぶか」とさえ思えてくる。なるほど、食べ物の味を「不味い」と言う人の中には、単純に、本当に美味いものを食べた事がないビンボー人が混じっているんじゃないかと思うと、今後、安易に人前で不味いとか言うのを止めた方が良いかも知れない。
    宴の後
いつの間にか、一緒に座っているご近所の方から、湧き水はその場所ごとで味が違うという興味深い話を伺う。
中には、不味い水もあるから、という事に、相方が、一番不味いのはどこの水なのかと問うている。
質問の意図が飲み込めた瞬間、次の目的地が決まった。
確かに、こういう美味い水を毎日飲んでいる人が、不味いと感じる水を知るのは面白いだろう。
そんな情報を貰いつつ、酒ビンを2本ほどぶら下げて店を後にした。
何だか、酒漬けの梅なども貰ったりして、もはや、酒を買うなら、ここに来なきゃ、という気にさせられる場所だ。まだ昼にもならぬうちにほろ酔い気分になっているなんて、贅沢な休日ではないか。
    善哉
さて、地元の人が不味いという湧き水(※これは個人の感想です)の場所を聞いたものの「確かここ」という程度の知識で足を運んだでみたが、たどり着いたのは、蔵元から程近い場所にある『鯛萬の井戸』。
見た目は、他の湧き水ポイントとさほど変わらない。
    鯛萬の井戸
いや、閑静な住宅地に響き渡る水の音は、むしろ、蒸し暑さを一時でも忘れさせてくれるようだ。おそらく、予備知識を持たずにここに来て水を飲めば、精神的採点基準が底上げされて、それなりに「美味い水」と判断を下す事だろう。
    鯛萬の井戸
だが、一口飲んでみて、その味の違いに驚いた。
女鳥羽の泉とは、明らかに何かが違う。同時に飲み比べたわけじゃないのでフェアじゃないが、どこかしら水温がぬるいような気すらする(※これは個人の感想です)
今度は、不味いと言う予備知識が邪魔をして判断を鈍らせてる可能性もあるが、その違いが明確に分からないまま見渡してみると、柱の貼り紙に目が留まった。
    鯛萬の井戸
「飲用にはご注意ください」とは、「飲むのは自己責任で」という意味の行政用語だろう。
さらに、「水質検査の結果」について「なお」から続いている説明書きは倒置表現のためであり、民間用語に翻訳すれば「水質検査がこういう水です。飲むのは自己責任で」となるか。
なるほど、そういえば、あまり気にして見てこなかったが、それぞれの湧き水の場所で、何らかの但し書きがあったのを覚えている。おそらくこういう注意書きが貼られていたのだろう。
「あちこちで、むやみに飲んじゃダメ」という事を大切な事を今知りました。大切なので、もう1回言っておく。「あちこちで、むやみに飲んじゃダメ」。
そう考えれば、表現上、こちらの方が劣りそうな表記で、これを読んだ途端に、この水が美味しく感じられなくても仕方がない。
もちろん、貯水タンクに溜められた塩素臭い水を飲んでいる身からすれば、これでも十分、贅沢なレベルであり、ラーメン激戦区巡りをしている最中に、チキンラーメンと味を比べているようなものだろう。

続いて、水巡りマップに記されている『東の十王堂跡』に立ち寄る。
    「お墓を恐れずに入れば十王様にあえる」
こんな事が書かれている場所は、さぞや、怖い場所かと思いきや、確かに人が居なくて怖いものの、むしろ、閑静な墓場の近くの社といった感じ。まぁ、閑静じゃない墓場ってのがあったら怖いな。
    十王さま
向こう正面で怖い顔をしている人がどういう素性の人かよく知らないが、閻魔大王とか書かれている札があったので、嘘ついても大目に見て下さい、などと、将来、三途の川を渡った後、再開した時の事をお願いしておいた。もちろん、効果があるか否かは誰も知るところではない。
    市役所跡
酔い覚ましも兼ねて、このまま川風を浴びながら、ナワテ通りに向かう事にする。
「松本ぼんぼん」の提灯が見える頃になると、周りの空気は、今までの閑静な城下町の散策から、行楽地的な賑わいに変化する。
    ぼんぼん提灯
昼近くなり、人の賑わいも増してきたナワテ通り。
    ナワテ通り東口
それでも、松本城に向かう人の数に比べれば、空いているといえるレベルだ。
そんなナワテ通りの中央付近、四柱神社前で、ハトに餌を与えている子供や大人を眺めつつ、小休止。
    ナワテ通り中央
どうやら、個人的には「ここが観光地ですよ!さあ、見ていって下さい!」という売り込み型よりも、こうやって「あ、勝手にやりますんで」と勝手気ままに流れている方が似合っているらしい。
曇り空の蒸し暑い中、行き交う人を観察すると、地元のお土産屋の手提げ袋を持ったのが観光客、都会の百貨店の手提げ袋を持ったのが帰省客だと言う事が推測できるが、そういう何気ない人々を観察をしながら、ここでビールを飲んだら、旅の「ふりだし」に戻れるかなぁ、などと空想してみる。いやいや、もう、旅程は折り返し地点を過ぎつつあるので、自重しますよ、自重。そういう贅沢は、宝くじが当たった時に実行しよう。
    四柱神社
四柱神社に手を合わせ、あとは帰るだけの雰囲気だが、旅はここで終わり、にならない。
もう少し続きます。
    ETCの英会話
どこか違う気がする英会話の看板を眺めつつ、市役所駐車場から一路、浅間温泉に向かう。
途中、松本城の駐車場が満車で渋滞になっているのを見てビックリする。歩いてきた場所があまり人が居なかっただけに、こんなに人が来ているとは、むしろ、こっちの方に楽しいものがあるんじゃないかと疑念すらわいて来る。
そんな疑念を抱きつつ、目指したのは、浅間温泉にある蕎麦屋『あるぷす』だ。
ちょうど昼時、そろそろ胃の中の目玉焼きご飯も消化された頃、いや、1時半を回っているので、空腹にターボがかかっている状態だ。
以前、ここで食べた、とろろ付の『ざるとろ蕎麦』が、自分の中で蕎麦部門・暫定一位にランキングされているが、せっかくなので足を運んだ次第だ。
変わっていない店内に足を踏み入れ、メニューを見ると・・・ない。
わざわざ、店員さんに聞いてみたが、とろろのメニューがないそうで、今日、一番のショックを受ける。仕方なく、天ざる蕎麦などを頼んでみる。
しかし、「むぅ、とろろがないと、ざる蕎麦の魅力が半減するわ」と並みの食通なら、そう言いたくなるところだが、実際は、とろろの存在が、ざる蕎麦の魅力を倍加していただけであり、ざる蕎麦単体でも十分に美味い事を思い知らされる。なんだ、おいら、単なるとろろ好きじゃん。
そもそも、蕎麦なんてものは、茹でたてが美味いのであって、だから、変な話だが、さほど客の入っていない有名チェーン店よりも、駅の立ち食い蕎麦のほうが客の回転が良くて美味いとさえ思うが、その究極の茹でたて蕎麦がここでは食べられて、かつ、毎度の事ながら、食べ終えてから気付くのだ。写真を撮るのを忘れている事に。
    食べ終えた後
そんな訳で、肝心の蕎麦の写真はありませんが、せっかくなので、蕎麦湯をお楽しみ下さい。
    そば湯
その昔、『蕎麦湯』の意味が分からなかったのだが、見よう見真似で、蕎麦つゆを適当に薄めたら美味かった→美味かったので飲み干した→さらに、追加用の蕎麦つゆも猪口に注いで蕎麦湯で割って何度も飲んだ→気がついたら、出された蕎麦つゆを飲んでしまった、という過去の経験は、今も同じで、気が済むまで蕎麦湯を飲むのが常になるほど、美味いのだ。
食通とか蕎麦通とか、そういう堅苦しいウンチクを垂れなければ物が食えない面倒くさい人種じゃなくても、素直に美味いと思うので、ここでの蕎麦湯を是非、お試しあれ。

浅間温泉に来たのだから、せっかくなので温泉にも立ち寄る。
ここには、いくつもの温泉旅館が立ち並び、立ち寄り湯などもあるんだろうが、銭湯気分で気楽に入れる『浅間温泉会館・ホットプラザ浅間』がお気に入りだ。高級温泉旅館など、もっと偉くなってから入れば良いので、自分らなんぞは、大人お1人様650円也が身の丈にちょうどよい、というか、温かいお湯に浸かれれば十分だ。
    温泉会館
はて?久しぶりにやってきた温泉会館、どこかしら、小奇麗になっている。
記憶にある雰囲気が多少変わっており、話を聞いてみると、多少改築してリニューアルしたという話だ。なるほど、床とかキレイになっているし、うらぶれた窓口じゃなくて、券売機がドンと置いてある。さらには、受付カウンターのようなものまで設置されていて、それらしい施設にグレードアップしていた。
うーむ、キレイになるのはウェルカムだが、あの貧乏臭い雰囲気が好きだったので、多少、複雑な気持ちだ。よもや、こんな歳になって、久しぶりに再開した初恋の相手が、ケバケバしくなっていて心が痛むような気持ちに・・・なるわけもないが、ようやく、一般観光客向けの立ち寄り湯になった感じだろう。
時節柄、家族連れが多いにぎやかな中、若干、塩素の臭いも嗅ぎながら、やや熱めの湯に身を浸す。
もう、すっかり醒めたと思っていたアルコールの残党が、体の芯から抜け出てゆくのが分かる。朝っぱらから酒を飲む極楽が、湯で抜けた後は、別の極楽が入ってくる。
何か、こういう至福の状況を表現するのは難しいのだが、だから、最近は「パワースポット」などと一言で片付けるんだろう。パワースポットを連呼していると、パワーよりむしろ、パーに聞こえてくるわ(笑)

室内から表の露天風呂コーナーに移動。
軽い小雨が混じる中、半身浴を楽しむと、あちこちで泣いているセミの声がシャワーになって辺りに響いており、耳まで楽しませてくれる。
あまりに気持ちが良いので、このまま、三途の川を渡りそうになる。しかし、閻魔様なら、さっき会ったばかりなので、しばらくは用事はない。寸でのところでお思いとどまり風呂を出て、心地よい汗をかきながら、イチゴ牛乳のようなものを携えて2階の休憩室に足を運ぶ。
以前は、単なる休憩スペースだった2階だが、3つの小部屋に分けられて、真ん中にマッサージ室などが出来ている。
とりあえず、体を揉んでもらうのは、リハビリの担当コンドウ君にお任せしているので、ここではゴロ寝部屋で、文字通りゴロ寝をする事にする。

・・・・・・・・・もしかしたら、2時間くらい落ちてましたか、私?
畳にござ敷き、籐の枕が置いてあるだけのシンプルなスペースで、知らないうちに2時間近くの惰眠をむさぼっていたらしい。
さすがに、窓の外に見える空の明るさが、この場所で寝転んだ時と違っているので驚いたが、後は帰るだけなので、ついでに、温泉会館周辺を散策することにした。

浅間温泉、名前こそ有名だが、実際は、驚くほど閑散としている。
どの旅館の軒にも、車がたくさん止まっているので、客が居ないわけじゃないんだが、人の気配が感じられない。
    浅間温泉界隈
この状況なら貸切だ!とばかりに、道路の真ん中を歩いても良さそうなものだが、人が歩いていないだけで、バスやら車はそれなりに通るので、誰にもオススメしない。歩行者としての身分をわきまえて、歩道側を歩くべきだ。
わきまえついでに、目に入ったのが「フィリピン料理」の貼り紙。
    フィリピン料理
この地で、食べられるフィリピン料理とは、フィリピン人労働者から教わったか、フィリピン人の奥様が作る手料理のようなものか、何にしても不似合いな感じだな。
それにしても、土産物屋1つ見ても、あまり人を相手に商売しているように感じられない活気の無さ、ここは本当に有名な浅間温泉なのかと、この記事を書きながらGoogleマップで確認したほどだ。

温泉会館に置いたままの車に戻ると、隣の広場でお祭りのようなものの準備が為されていた。
入浴と散歩と惰眠の結果、胃袋が柔らかな空腹をうったえたので、何か買い食いすることにする。
    意外と人が居る
会場を見渡してみると、先ほど歩いてきた街並みとは違い、一体、この人たちはどこから出てきたのか、と思うくらいに人が居るではないか。入り口付近で焼き鳥を焼いていたオッちゃんに、そんな閑散たる状況についての与太話をしたら、ええ、普段から、あまり人の姿は見えませんね、などと苦笑いしていた。
    風が強くなってきた
会場に設置された仮設のテーブルに腰を落ち着け、焼き鳥などを食べていると、次第に風が強くなってきた。
確か先ほど、tannte某氏が、雨降りが云々とTwitterでつぶやいていたので、トヨタ市方面は雨なんだろう。帰り道の事を考えつつ、この少し湿った強い風の中で、ここでビールを飲めればな、などと思いながら、残りの鶏皮を口に入れて席を立った。

久しぶりに道祖神に背中を押されて旅立った松本旅行。
入院だ手術だ、と騒いでいた半年前の事を思えば、ここまで足を運んだだけでも感慨深いものがある。
そして、善哉酒造で買った日本酒がなくなった頃か、Uo cafe & Barで試作品のおつまみたい焼きが出来上がった頃、また、足を運びたいものだ。

本日の好日度:★★★★★ 「文句なし」