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ゾウムシを探しに 〜名古屋港ワイルドフラワーガーデン ブルーボネット〜


2013/04/14
mizuno-ami
出たと、家人が騒いでいる。
バラにゾウムシが大量発生しているらしい。
    ゾウムシ
中々、カッコいいフォルムじゃないか、素晴らしい。
    ゾウムシ
体長、3、4ミリの精巧な生物。
一丁前に『鼻』の手入れまでしているじゃないか、素晴らしい。
などと、バラの主にとっては褒められない状態らしいが、そもそも、農薬なんぞ使っておらず、手入れの方法も知らないまま、適当にやっていたので『害虫』の1つや2つは出ても不思議じゃない。
という事で、というか、どういう訳だか、『本場』にはもっとたくさん居るに違いない、などと北朝鮮並に訳の分からない理由で、名古屋港にある『ブルーボネット』に行く事になった。

 『ブルーボネット』、正式には『名古屋港ワイルドフラワーガーデン ブルーボネット』と呼ぶらしい。
中部電力創立50周年記念事業の一環として、名古屋港にある火力発電所の緑地の一部を整備して、見学などできるようにした庭園だ。
インターを出てすぐ、という手軽な立地と、大人1人300円というリーズナブルな入場料と、海沿いの立地というところで、家族連れやカップル、年金のジジババなど広い年齢層が散歩をするのに気持ちの良い場所だ。
もちろん、園内いっぱいに花が植えられており、それらは、どぎつい原色のものではなく、こういう中間色が多いので、下手な植物園より心は和む。
    ブルーボネット
単なる観賞用だけでなく、庭造りの参考にもなるようで、何気なく置かれているオブジェさえ、洗練された雰囲気を感じるようだ。
    ブルーボネット
しかし、今日はゾウムシ探しだから、最初から覚悟を決めて、タムロンの90mm1本しか持ってきていない。
という事で、園内の素晴らしい花々の写真はほとんどないから、楽しみたい方は、実際に足を運んでいただきたい。

ハチの仲間か?
    メタリックなハチ
昆虫の名前は良く知らないが、青色メタリックのボディは、ちょっとカッコいい。
どうしてこんな光沢が出るのか不思議だが、人によっては「タダの便所バチ」程度にしか映らないんだろう。カッコいいのに。

、 ややっ!この木は何だ?!
    足場のある木
頼まれた訳でもないのに、木の枝に『羽根』もしくは『足場』がついている。
どうしてこういう事になったのか分からないが、こんな変わったヤツなので有名なんだろう。
    足場のある木
ただ、これまた、名前なんぞも知らないが、とにかく驚かされる格好をしているのは確かだ。

まだ季節は早いが、クマンバチなどがブンブンと飛んでいるのが見える。
    クマンバチ
動きが早くて、風も強かったので、撮影は難しかったが、ジャポニカ学習帳の表紙のような写真が撮れたので、自画自賛しておこう。
今日の装備では、風景写真は苦手だが、ともすれば「自然観察者」っぽい視点の写真が撮れるので面白い。
そこらに咲いているスズランらしきものも、この通り。
    自然観察者っぽい視点
一方で、風景の方は、ちょっとダメっぽいな。
    ちょっとダメな風景写真
これなら、ケータイの写真の方がマシなレベルだが、唯一、『赤色はよく目立つ』という事だけは、よく分かる。

唐突だが、クイズです。
これは何でしょう?
    クイズです
正解は、こちらです。
    カマキリのタマゴ
カマキリの卵かな。
出題しておいて『かな』はないと思うが、良く見れば、あちらこちらに、何らかの生物の形跡はあるようだ。
チョウは飛び、ハチは舞い、鳥なんかもそれなりに生息している。
案外、人間以外にも憩いの場になっているのかもしれない。

そもそも、バラはあまり植えられてないよね、ゾウムシ探しは、言い訳じゃないのか?という疑問が頭をよぎる頃、一旦、休憩となる。
園内唯一のレストランで、少し遅めの昼食を。
オーダーを済ませた頃、隣席に座っていた父、母、娘と思しき親子が、席を立ったが、娘が口をもぐもぐ動かしながら席を立って歩き始めたのには驚いた。
父が行動のタイミングをすべて決めているんだろうが、何か、こう、みんなが食べ終わってから、席を立とうよ、と思うが如何だろうか。
何となく、食事が済んだ瞬間、「さあ、行くぞ」と席を立って行こうとする、年配の営業マンと席を同じにしたような瞬間だったが、他所様の事をあれこれ思うのも、余計なお世話だな。
    水
ちなみに、写真はイメージであり、別に、水だけ飲んで出てきたわけじゃない。

さて、散策再開。
庭園オブジェの中に『ボネット』姿の少女像があった。
    ボネット
園の名前、ブルーボネットという青い花は、この『ボネット』という帽子ににていることから名付けられたモノらしい。
生粋の日本人なので、「西部開拓時代」のアメリカに郷愁は沸かないが、なるほど、西部劇で娘さんが、こういう帽子を被ったような気がする。
    ボネット
しかし、よく見ると、「娘さん」か、「娘さんだった女性」か、よく分からない。
ディテールが甘いな。
むしろ、自然のモノの方が、よっぽど詳細なデザインをしている。
    スズメ
最近、街でも減ってきたらしいスズメだが『よく出来ている』と思う。
誰が作ったのか知らないが、本当に、よく出来ている。

園の奥、水色のじゅうたんがあった。
    水色のじゅうたん
色とりどりの花で埋め尽くされているのもキレイだが、こういう、ほぼ単色というのも捨てがたい。
多少、紫がかった、やわらかな水色のじゅうたんは、心和ませるものがある。
もしコレが、金色のじゅうたんだったら、青い衣をまとって降り立ったりして忙しいので、このくらいが丁度良い。

注意深く園内を見ているつもりだが、思うほど、小さな虫が見当たらない。
    水色のじゅうたん
おそらく、蛾か何かが出た後だろうか。
であれば、毛虫の類は居るのかもしれないが、手入れされた園内だから、かえって、そういう生物は「駆除」されている可能性は高いな。

ようやく、バラにたどり着いた。
    モッコウバラ
モッコウバラという小さなバラで、ちょうど、ウチでゾウムシが占拠しつつあるものと同じ種類だ。
モッコウバラ、木工バラ?いや、木香バラだそうだ。
Wikipediaを読む限りでは、白と淡い黄色くらいしかなくて、云々と書いてあり、バラとしては簡単な部類に入るものだそうだ。
『芳香性のあるバラと組み合わせるなどの工夫が必要である』などと書かれているので、花自体の香りはないのだろう。
    モッコウバラ
こんなに可憐なバラなのに、別に、いいじゃねーか。香りくらい。
ちなみに、このモッコウバラの一部で、1センチ程度の毛虫が大量についている場所を見かけた。
写真が上手く取れておらず、全部ダメだったのは残念だが、ウチのように、簡単にゾウムシが見つけられる状態ではないような手入れの行き届いた場所だったので、むしろ、その毛虫の存在が楽しくさえ思う。快哉、だな。

それにしても、本当に手入れが行き届いている。
それでも、別の種類のバラのところで、丹念に探した結果、ようやく1匹を見つける事が出来た。
    ゾウムシ
ようやく、マクロレンズらしいお仕事になる。
    ゾウムシ
ユーモラスな顔をしており、メカニカルなのに愛嬌がある。正直、嫌いじゃない。
この、バラに付くゾウムシは「バラゾウムシ」などと呼ばれ、種類としては「ケシツブチョッキリ」という仲間になるらしい。
何だよ、その『ケシツブチョッキリ』って(笑)
でも、ネットで検索してみれば、バラ愛好家からは、当然の如く『害虫』扱いされており、別段、クジラをネタにして飯を食っているキチガイ団体のように騒ぎ立てるつもりはないが、何だか、こう、ようやく見つけたコイツも、やっぱり、ここでは害虫扱いなのかと思うと、ちょっと悲しくなる。
僅か数ミリのボディを求めて、探し回るが、中々見つからない。
探すもののサイズがサイズだけに、こういうヤツを見つけても、サイズが違いすぎて、最初は何が居るのか分からなくなる。
    毛虫
毛虫と呼ぶに相応しい毛虫だが、捜し求めているケシツブチョッキリ野郎は、この毛虫の頭部程度の大きさに過ぎない。
そして、やっぱりというか、当然というか、こういう葉っぱもある。
    農薬の跡かな
農薬散布の後だろうか。
これだけの庭園の手入れは大変だ。
維持するだけでも大変なのに、どこからともなく飛んでくる小虫まで駆除するのは至難の業だろう。
だから、『キレイな庭園』を維持するために、庭園を壊すような『害虫』は駆除『しなければならない』のだ。
だから、この手入れされた庭園には、バラの害虫であるゾウムシなど、居なくて当たり前であって、バラを育てているのに、そんなモノが居る方が恥ずかしい、というのが常識なのだ。

こういう事に気付き、そのまま「人間=悪」だと思ってしまうような多感で無知な年頃は、とうに過ぎた人間なので、これを以って「無農薬でやりましょう」「自然が一番」などと主張して、他人を卑下するようなバカのような真似をするつもりはない。
ただ、やるなら徹底的に自分のテリトリーを守らなきゃ、見せられるような庭園1つ造れないんだ、という話であり、虫が居ても、なんら悪い事ではないが、おそらく、あちこちに、毛虫だの害虫が居るようなところに、お金を払ってみにくるような人は居ないだろう、という事に過ぎない。

庭園の中央にある池には、鳥なんかも飛んできて、無邪気に泳いでいる。
    があがあ
自然に生きる彼らは、ここで見物している人間と同じように、ここで憩い、ゆっくりとした時間を過ごしている。
名古屋港に浮かぶオアシスと言っても過言ではないだろう。
しかし、もっと小さな生物にとって、ここがオアシスかどうかは分からない。
    があがあ
咲き乱れる花も、その実、キッチリと管理されており、そこには『害虫』の存在は許されないのだ。
池の中にカニがいるぞ!
    池のカニ
いえいえ、コイツも作り物。
花壇の中に置かれている、ネコと同じオブジェの1つ。
この庭園に、カニは『似合わない』から、配置されていないだけの事だ。

庭園から陸側を望めば、そこには名古屋港水族館だのが見える。
    名古屋港
その間に横たわる海は、青色でなく、澄んでおらず、潮の香りもしない。
そんな中に造られた、多彩な花々に囲まれたオアシス『ブルーボネット』には、今日も多くの人々が訪れ、カメラを構え、楽しそうに笑っている。
    名古屋港
よく手入れされた庭園に、害虫など居なくて当たり前なのだ。
本日の好日度:★★★★☆ 「人々の憩いの場」
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