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2007松本「縄手カエル祭」 〜松本市〜

    さぁ、昨日の復習だ。カエルとツボカビ
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 四柱神社から東に向かうと、カエル大明神横のひときわ行列が目立つ店が見えてくる。
たい焼きふるさと」さんは、昨夜の「カエラーナイト」の 首謀者 主催者代表、山本さんのお店だ。
今でこそ、かえるまつりに両肩までどっぷり浸かっているが、思い起こせば、その昔、「ウインナーたい焼き」を食べに来た事がキッカケで今に至っている。縁とは不思議なものだ。
さて、今年登場の新製品「たい焼きアイス」の秘密の皮なんぞを撮影しつつ、泣きたくなるほど忙しい厨房を観察する。
    たい焼きの皮
    ■パリパリで美味いんだな、これが。
今日は、店頭ではカエルグッズも大々的に併売しているので、この場所を借りてカエラーナイトで 大量に 売れ残ったグッズを並べさせてもらう事にした。
    絵はがきなど
    ■公式グッズに加えて「楽太郎」オリジナルのハガキにシール
    コースターなど
    ■こちらは、人気のコルク製コースター
そもそも、ポストカードなど大量に売れるものではない。
自分でもあまり買わないのだから、アレなのだが、印刷を頼むと最低枚数がそれなりになってしまうので、売れ残ったらやっぱりそれなりになってしまう。
そんな訳で、ふるさとさんの店頭に、各種オリジナルグッズと店員を1人を置いて行くことにする。
    店員
    ■「ひえ!置き去りにされた〜!」(助手談)
通常は撮影団助手を名乗り、今回は販売員を名乗っていた助手を、急遽、店頭の売り子として置いていくことに。
撮影団団長として有能な助手が欠けるのは断腸の思いだが、ガンバってグッズを売ってくれたまえ。

さて、気を取り直して、ツボカビの展示を見よう。
ひとまず、「カエルルーム」のある東へ向かう事にする。
「たのしい射的」では、小さな子供たちが、意外にしっかりした構えで銃を握っているのが見える。
    構えー
    ■「オレはナワテスナイパー。オレの後ろに立つなぁ」
地球上には、幼くして銃を持たされ、大人の言いなりになって殺し合いに参加するような愚かな国があるのだが、日本はオモチャの銃でよかったな、と思いつつも、銃を構える姿がサマになっているのを眺めていると、同じ人間なんだろうなと思ってしまう。
できれば、銃なんてブッソウなモノはゲームの世界くらいにしておいて欲しいものだが、世の中、そんな良い人ばかりではない事も知っておくべきだろう。
    たのしいしゃてき
    ■「そんなに深く考えるなケロ〜」
 少し歩を進めると、涼しげなカエルたちが目に入ってくる。
    ケロ時計
    ■置き時計は左右の手をユラユラ揺らしながら立っています
涼しげでどこかしら懐かしい感じのするカエルたち。ガラスで出来た置き時計だ。
瑠璃房がらすけ」さんの作品は、ガラスと言う冷たい素材を使っていながら、温かみすら感じるが、これは分厚いラムネのビンに懐かしさを感じるようなモノだろうか。
    ぶら下がりカエル
    ■「そんなに見つめたら照れるケロ」
必ず毎年会場のどこかで見かける、このガラスのカエルたち。
慌しく移動しながら、ふと足が止まって眺めてしまう不思議さを持っている。
    がらすけさん
    ■おっちゃんは瞑想中。「ケロケロリ」
カエルの作品もさることながら、悠然と座って通りを眺める様子は、酸いも甘いも噛み分けた大きなトノサマガエルの風格か。
人間、こんな風に歳をとりたいものである。

一方で、のんきな人も居たもので、こちらの方は、お店の人が誰もいない。
    革のおっちゃんの店
    ■おっちゃんは、只今、席を外しております。
おそらくちょっとの間、場を離れているだけだろうが、ずいぶんとのんびりしたものだが、こういうところが、このまつりの良いところだろうか。
ちなみに、このお店も見覚えがある。
昨年「おしゃれグッズ」を買った店だ。
おおよそ、装飾品の似合わない人間が、身につけている数少ないオシャレ小物。
    革の腕輪
    ■ほら、並んでいるアレと同じブレスレット。
ピンクの部分は「カエルの革」、とりあえずカエル祭という事で、カエルモノなど身につけている。
「革の腕輪」と書くと、冒険ゲームの最初に装備している弱っちい防具のようだが、言われなければ「カエル」と分らないカエルグッズというのも面白いだろう。

ところで、元々「カエルルーム」にツボカビの展示を見るために、こちらの方に移動してきた訳だったのに、到着までに何箇所も引っかかって、この有様だ。
ナワテ通りはさほど広いとはいえないが、、それだけでも、ずいぶんと密度が濃い事がお分りいただけるだろう。
もしくは、こちらが、注意力散漫で今時の落ち着きの無い子供のようなモノとも言えるのだが。
何はともあれ「カエルルーム」に到着した。
    禁則事項です
    ■「カエルル〜ム」、どこかしら「みくるビ〜ム!」に似ています。
何らかのテーマを設け、それにちなんだ展示がされているカエルルームだが、今年は、入口でカエルの写真がお出迎えしてくれた。
    丸い奴
    ■神様が冗談で作っちゃったようなカエルたち。
上がアフリカツメガエルと言う奴だ。
何だか、トラフグに手足が生えたような滑稽な姿をしている。
また、下の奴は何だ?!
ニッポンのカエルの姿からは想像も出来ない、絵本から出てきたようなカエルだ。
なるほど、こういう「珍しい生き物」を飼いたがるマニアが少なくないのも分る気がするが、所詮、他所から持ってきた外来種だ。
昨日の話の復習をすれば、こういうのは出来るだけ飼わない、飼うなら責任を持って最後まで、という事。「逃がす」という名の「捨てる」行為はダメダメなのだ。
さて、展示されているパネルや写真はどれも興味深い。
    よわいカエル
    ■「川をキレイに」のキレイは、人間の勝手な基準の「キレイ」が多いのです
カエルなど、水辺でケロケロ鳴いているだけだから、水があれば良いだろうなんて思っているが、護岸工事で岸がコンクリートで固められるだけで生きられなくなる存在らしい。
Tシャツにピッタリくっついて生きる奴はもちろんだが、垂直に壁にくっついて登ったり出来る奴は少数派であり、こういうコンクリートの壁を登れないのだそうだ。
そして、昨日からしきりに「ツボカビ」「ツボカビ」といわれている菌の顕微鏡写真も展示されていた。
    壷のオバケ
    ■下のほうの「致死率90%」という記述にも注目です
なんだこりゃ?!本当に「ツボ」そのものではないか。
それも、小さな小さな顕微鏡写真だと言うのに、とても凶悪そうな形をしているように見えるのは気のせいか?
別に、そのツボの口から毒液とか毒煙を出してカエルを殺す訳でもないだろうが、ちょっと衝撃の姿だ。
このツボカビにやられたカエルがどうなるのかは、とても分りやすいイラストでその「症状」が描かれていた。
    ツボの諸症状
    ■口が開きっぱなしのカエル、何故か「ダメおやじ」という漫画を思い出しました
食欲不振なら、少しストレス抱えたオッサンでも心当たりがあろうが、瞳が小さくなったり、手足がこわばるなど、もう、別のものに変身するんじゃないかと思うような変化だ。
もちろん、変化とは生きたカエルからカエルの死体へ、という嬉しくない変化だが、機敏な動作が「売り」のカエルが起き上がれないとか、いつも凛々しく口を閉じているカエルの口が開きっぱなしなど、尋常な状態ではない。
脱皮ガラが残るのは、海に行って焼きすぎた人でもあるかもしれないが、飼っているカエルがこんな状態になったら、要注意という事だろう。
この「ツボの諸症状」を頭に入れつつ、近所でこういうことがあったらツボカビかも、という兆候が紹介されいた。
    犯人は人間
    ■無差別連続殺蛙。爺っちゃんの名にかけて真実は常に1つ、犯人は人間です
簡単にまとめておくと、次の通りだ。
  1. 目立った外傷がない
    カエルツボカビは皮膚に感染するので、目立った外傷もなく死んでしまう事が多い。
    ただし、死んでから他の生き物が食べる場合があるので、そういう傷があることもある。

  2. 同じ場所でたくさん死んでいる
    感染力が強いため、近所にいるカエルの多くが短時間に感染して、ほぼ同時期に死んでしまう。

  3. 何日も連続して死体がみつかる
    死体が感染源となって、次々に他のカエルに感染するので、時間差でどんどん死んでしまう。

  4. 死体の発見場所が広がっていく
    水の流れに乗って感染するので、必然的に感染源が広がる事になる。
災害パニック系の映画で「冗談じゃねーぞ、おい!」とか叫んで岩の下敷きになったりするチョイ役のセリフのような状況が、ツボカビが広がった場合の光景となる。
冗談ではなく、海外のある地域では、付近一帯のカエルが全滅してしまい、何とか生き残ったものを隔離して保護している状態だそうだ。
もし、そういう疑わしいカエルの死体や、大量に死んでいる現場に遭遇したら、このように対処する事が推奨されているので、参考にして頂きたい。
    警察に届けてもダメよ
    ■カエルフローチャート。ポイントは「クール便」
たかがカエルと言われるが、されどカエルなのだ。
カエルが環境に対する指標動物である事は、周知の事だが、カエルが住めなくなるような場所では、遅かれ早かれ人間にも影響が出るだろう。
そもそも、年金問題の社会保険庁など、全く庶民の役に立たない「お役所仕事」だが、そんなお役所の1つ環境省は、早々にホームページに対策ページを設けている。
厚顔の役人の重い腰を上げさせているほど、この事は重大なのだ。
残念ながら、カエルが好きでカエルを扱う人ばかりではない。
カエルよりお金が好きなので、お金になる珍しいカエルを持ってきては適当に売りさばく心無いペット屋も少なくない。
もちろん、珍しい生き物を飼う事が生き甲斐のような人種もいるが、彼らとて、「珍しいカエル」が好きなのではなく、ただ「珍しいから」喜んでいるだけであって、珍しくなくなったら、そこらに捨てる事も厭わない連中だろう。
今回のカエル祭に込められたもう1つのテーマ「環境とカエル」、ありのままに存在する自然と、ありのまま生きているカエル、人間の横暴な振る舞いは、そのどちらも簡単に壊してしまうのだ。
サラ金で金を借りてまで買う犬のCMはうんざりだったが、ペットは「買う」のではなく「飼う」という事を今一度、思い出してほしいものだ。

また、カエルルームには水槽が用意されていて、すぐ横を流れる女鳥羽川で捕れた小魚類が入れられていた。
目まぐるしい勢いで、泳ぐ小魚たち。
    ハゼっぽい奴
    ■「展示が終わったら、オイラは天ぷらになるんだよ」(マジで)
自然溢れる女鳥羽川でも、やっぱり外来種はいるらしく、ちょっとピンぼけで申し訳ないが、これは「ブラックバス」の稚魚らしい。
    3センチくらい
    ■知っている人が見れば、ああ、ブラックバスだわ、と思う姿
小さいうちに喰ってしまえ、と思ったりするが、所詮、こいつらも誰かが逃がしたモノが根付いているのだろう。
ちなみに、これらの小魚は誰が捕ってくるか、と言えば、昨日のシンポジウムで環境とか自然とかを語ったオッちゃんたちらしい。
    水遊び楽しいな
    ■常に網はスタンバイ!実写版「ぼくの夏休み」ですね
カエルルームを案内して下さった「かえるのねーちゃん」さんによれば、「もう、オッちゃんたち、どんどん魚を取ってくるから」と笑いながら、半ば呆れ顔だ。
いい歳こいたオッちゃんが、川に入って水遊び。
こういう事ができて、こういう事が好きな人たちだから、人一倍、自然というモノを見つめる目があるんだろう。
そもそも、入って遊べる川が近所にあると言うだけで、今の日本ではずいぶんと幸せな方なのだろうが、単純に「絶対守らなきゃ」と過保護になるわけでもなく、ただ、自然と一緒に暮らすという気持ち。
ふと、昨日の「日本に原風景」とが頭に浮かんだ。
田んぼがあって治水された用水があって、畑があってという、人手が入っているけど、自然と共に暮らせる田舎の風景。
そういう風景を心に持っている日本人と、人を殺してでもクジラを守りましょう、という胡散臭い連中が見ている景色は違うんだろうが、多分、環境を守れるのは「心」で自然を感じられる日本人だろう。
こういう部分だけは「欧米か!」にはなって欲しくないものである。

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