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観察者 in 聖火リレー 〜長野県長野市内〜 「03:色々な温度差」


2008/04/26
mizuno-ami
大声で叫び、皆がそれを連呼する。
それが、中国側の「応援」スタイルのようだ。
どこから声が出ているのか知らないが、半端ではない大声に加え、数が半端ではないので、拡声器など必要がない。
ここは、先ほどの位置から道路を隔てた反対側。コンビニがある角のところだが、ちょうど地下通路の出口辺りが「境界線」になっている。
そう、この赤旗軍団が一斉に見ている方向は、聖火が通る道路ではない。
こちら側のチベット支援側を向いているのだ。
両者の間に設けられた、広めのDMZ、つい先ほど起きた小競り合いのため、急遽作られたものだ。
中国側とチベット側、どちらがどちらともいえぬタイミングでつかみ合い。
慌てて引き離す警官。
今回の警備において、警察官の姿勢を表すならば「事なかれ」が妥当だろう。
後の報道で、何人かが逮捕されたと伝えられる事になるが、実際には、現場で「まぁまぁ」と処理する警察官の姿があちらこちらで見受けられた。
おそらく、道路に飛び出して云々、という「無処分じゃ双方納得がいかない」というケースに限って逮捕なりの措置を取ったのだろう。
ただ、チベット側に肩入れする訳ではないが、中国人のマナーの悪さは見ていると不快になる。
この集団内をチベット旗を持った人間が通るだけで、ブーイングの嵐。中には後ろから小突いたりする事もしばしばで、そういう行動が、終止、どこの集団でも見られたことから、中国人とはそういうモノであることをあらためて教えてくれる。
下手に挑発されて、反抗しても多勢に無勢、おそらく、それを知って手を出しているのだろうが、そんな排除行動が「悪い事ではない」と信じて行動している事も、彼らの表情から窺えるし、そこで騒ぎを起こせば「先に手を出した」のは中国人側でも、確固たる証拠がないので、有耶無耶になってしまう。
こういうリーダー的人物、大抵は「ほんごん、じゃいあん」の掛け声を真っ先に始める人物だが、コンビニ前の小競り合い後も、どこかしら不満な様子で大声を上げている。
そういう光景をみて、ふと目を横にやれば、各社の取材クルーがDMZから「良い画」を探して取材中。
幾つかのメディアのクルーは、真剣な表情でこれらの騒動を取材していたのだが、大抵の連中は、どちらかと言えば、ただ騒乱の画を取りにきただけ、にも見えなくもない。
チベット旗を振る人々、大声を上げる中国人、それらを抑える警察官、それらが集まる集団の中で、最も緊張感のないのが「press」の腕章に守られた彼らだろう。
ついでに言えば、今回、観察者スタイルで臨み、小脇に「MY脚立」さえ抱えている自分。
いかにも「私も取材スタッフですよ」という顔をしていると、誰からも咎められる事無く、彼らの中に紛れ込んで写真など撮っていた。何だ、一番、恩恵を甘受しているのは自分だったのかも知れない。ゴメンナサイ(笑)

まだ、始まっても居ないのに、あちこちで盛り上がる群集。
沿道から、より大きな声が上がるときがある。
交通規制があるとは言え、まだ通行止めになっているわけではない。
そんな道路を走ってアピールする人もいくつか見られた。
もちろん、このバイクが通れば、赤い集団からブーイングが起きる。
また、中国側も負けてはいない、というか、こちらの方が本格的だ。
いわゆる「ハコ乗り」というヤツだろうか。
ルーフを開けて、中国旗をアピールするやり方は、道路交通法に違反しないのか?
とりあえず、冒頭でも書いたとおり、今回は、すべて応援イベントの景色の一部として考えている。
したがって、自動車のナンバーにもモザイクは入れないので、事後でも取り締まりにつかえるのであれば、この手の画像のオリジナルサイズを提供するので、お申し出下さい。
それにしても、やっていい事と悪い事があるだろう。
もう、自動車でのアピールについては、黙認状態だ。
田舎の暴走族じゃあるまいし、今時、旗を掲げてワーワー騒いでいる連中が「オリンピックの応援」とは、どういう常識なのか。
品川ナンバーのトヨタの高級車までお出ましだ。ああ、トヨタ市民として、胸が痛い光景だなぁ。
しかし、この運転手、シートベルトしてるのか?
警察官の視線が気になるが、いくらなんでも、道路交通法違反のヤツを大勢動員された警察官が見逃す筈もなかろうから、こちらから見えないだけでシートベルトくらい締めているんだろう。
これが「愛国無罪」とか言うヤツなのだろうか。
関係ないけど、高そうな腕時計をはめていらっしゃる。
やはり、警察官の視線が気になるが、品川から来た暴走族だろうか。

一方で、こういう光景を見ると、事情を知らなくても応援したくなる。
日本人には「お上や金持ちは全部悪者で、質素な生活をする町人が正しい」という時代劇の定番シチュエーションが遺伝子レベルで備わっているのだろう。
だが、チベットの実情を考えれば、もっと大きな運動を起こすべき側ではないか。
異国に来て、国産高級車を乗り回す中国人の方がむしろ異常だ。
もちろん、部分的に盛り上がっているのだが……、
多勢に無勢とは、このことだろう。
いつから、これほどまでに日本に中国人が入り込んでいるのか、不安にすらなる。
こういう現状に対し、総理大臣は何を考えているのか、って、ああ、ロシアに逃亡中か。なんとも、緊張感のない総理大臣だ。

忘れるところだったが、今回は聖火リレーを見るためのイベントだった。
長々と書いてきて、実は、まだ聖火の「せ」の字も出てきていないが、下手糞な写真と拙い文章で、多少でも、現場の空気が伝わっていれば幸いだ。
などと、言い訳をしているうちに、動きが見られた。
通行止めのための要員だろう。いよいよ、聖火リレーの準備らしいものが始まる。
屋上にも緊張感が走る。
いや、それより、心配そうに眺めるレストランのスタッフの方が印象的か。