2020年12月03日 記事
相対的満足感

2020年12月03日(木)

●『少年期を過ぎたならば、アニメやゲームという非現実の世界からは完全に手を引かなければならず、さもなければ、自立や自律とはいっさい無縁な、不気味極まりない子ども大人として異様にして異常な人生を送るだけならまだしも、社会全体と国家全体を尋常ではない集団に仕立て上げ、暴力の狂気を迎える。』、芥川賞作家の丸山健二という人のツイートが話題になっている。何だろうね、言い方が悪いが、絵空事の物語を書いた小説なんぞは非現実じゃないのか、という話になるが、この手の人には通用しない。頭の悪いPTAの『マンガ狩り』にも通じるものがあり、勝手な価値観で決めつけて曲げないという人種は、いつの時代にも存在する。だいたい、芥川賞作家とか言ったところで、作家という同族の集まりという狭い世界じゃないか。その中で賞を取るのと、幼稚園の徒競走で一等賞を取るのに、どれだけ差があるか分からないが、ああいった権威を権威らしく見せなきゃ成り立たない商売の連中は、マンガやアニメ、エログロといったものも含め、下劣なものと決めつけて騒ぎ立て、いかに自分が『気高い存在』であるかを誇示しなきゃならないが、その実、その高低差は単なる相対的なものであり、文筆業というたいして高級でもない特殊業務の底辺の連中が、さらに何かを見下して自己満足しているだけの話。著名な作家ほど「作家なんてロクなもんじゃない」とぼやいたりすると思っている。●一方で、作家センセイでなくとも、この手の「大人になって、まだゲームとかやっているのか」という批判は少なくない。不思議なことだが、クールジャパンと言われるほど、日本はこの手の産業が盛んで、それは、海外では文化として受け入れられているので、特に子供だましでもないと思っているが、こういう人たちが否定する理由が分からない。娯楽として大人でも楽しめるものを楽しんで何が悪いんだろうと思う一方で、そういうのを否定する人にとっての娯楽って何?という話になると、大抵が、皆で集まって酒を飲んで、みたいな仕事よりアフター5、はしご酒とかカラオケとか、そういう『大人の世界』を堪能なさっておられそうな、昭和の遺物のような薄っぺらな娯楽で満足している層にしか見えないから不思議だ。4リットルくらいの大型ペットボトル入り焼酎をチビチビと注いで、安い梅干しか何かで晩酌を楽しまないと日々が楽しく過ごせないというカワイソウな人たちが口にする「ガキじゃあるまいし」ってのは、自虐の言葉なのかと思わずには居られない。★☆★
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