2020年01月17日 記事
同じ過ちを繰り返さない技術と繰り返す人類

2020年01月17日(金)

●阪神淡路大震災から25年。もう25年かぁ。震災直後に生まれたという人が、その親の記憶を引き継ぐみたいな形で講演する様子をNHKが流していた。水を指すわけじゃないが、それを語って何になるのか。実際に被害に遭った人は、「大変でしたね」という声をかけて貰いたくて自信の経験を語り、それが1つの救いになっている面はあるが、後世に伝えるべきは経験ではなく教訓だ。「記憶を風化させるな」を掲げて話を聞かせる連中もあるが、実体験をした者であっても、それを正確に語り継ぐなんてのは無理がある。一方で、教訓が生きている面もある。調べてみれば、震災を契機に災害ボランティアが定着し、ある意味「ボランティア元年」になっているという。また、震度の階級が従来の8段階から『震度5強』『震度6弱』を加えて10段階になるきっかけにもなったとか。東京消防庁にハイパーレスキューが創設され、また、災害派遣医療チームも発足、地震保険が普及するなどの社会的な基盤も整備された。小さなところでは、水道のレバーが上げると止まる「上げ止め式」だったのが、落下物により出っぱなしになる事例が多かったことを受けて「下げ止め式」が普及し、カセットコンロの規格も統一されていったという。我々が何気なく使っている道具や制度、実はこういう歴史が教訓になっているものも少なくない。●『小学校の外壁工事で使用中 シンナー落下 小学生8人軽傷』、色々なメディアが報じている。NHKのタイトルは『小学校で児童にシンナー系塗料かかり9人が搬送 大阪』とかなり大袈裟に感じる。田舎の中学生でもネットでドラッグを買っていそうな時代、シンナー吸ってラリるようなバカは絶滅しただろうが、家庭用やプラモデル用の塗料も水性化が進み、意外と『有機溶剤』に触れる機会は減ってきている。結果的に、有害性の部分が独り歩きして危険物のレベルが高くなっている。もちろん、シンナー類は危険ではあるが、多少皮膚に触れた程度ならすぐに乾くし、害もない。かつてのマニュキュアの除光液の方がよっぽど有害だったことを思えば、過度に『シンナー』で騒ぐ話でもなかろうに。NHKの記事では「救急車の音がして来てみたら、学校にいた子どもたちから『上から缶が落ちて、中の液体が目に入った子がいる』と聞いた。こんなことが起きて驚いたし、不安だ」と書かれているが、こういう流れから「学校に危険物が持ち込まれているなんて」という方向にならないか心配だなぁ。単なる工事屋のミスであって、それ以上のものはない。下手すりゃ「子供が居る平日に作業するな」ということにもなろうか。作業員は休日働け、ってさ。働き方改革ぅ(笑)。★☆★
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