2020年01月31日 記事
現代版の魔女裁判

2020年01月31日(金)

●香川県がゲームを規制する条例を作ろうとしている。『ゲームの利用を1日1時間に制限』という話。あの中身がよく分からない。まず第一に、なぜ『ゲーム規制』なのかという点からだ。もし、何らかの悪影響があるなら、その悪影響を与えているゲームタイトルを挙げた上で、まずは、そのメーカーに改善を促すなどすべきではないか?もし、この理屈がまかり通るなら「うどんの食べ過ぎで体を壊す人が居るので、うどんは規制すべき」という話も通用する筈だ。要は「分かってない」から『ゲーム』としか言いようがないのだろう。●また、「ガチャを規制したい」という話もある。射幸心を煽り、云々というヤツか。しかし、これも、多くのゲームでは、そのガチャを引くための課金について年齢による制限が設けられており、その月額の上限が決められている。最初から仕組みで用意されているので、本来なら、わざわざ、条例で規制する必要はないのだが、やはり、そういった仕組みが備わっていないゲームがあり、それが問題を起こしているのなら、そのタイトルを挙げた上で、そちらに改善を促すべきであろう。加えて、年齢詐称してまで遊ばせる家庭にも問題があろうに。●その『規制』が民意ならそれも仕方ないが、あまりにも具体性のない話。中身がわからず「ダメっぽいからフタしとこう」的な、思考停止にしか映らないのは大きな疑問だ。これは、「何ら具体性がないけど規制すべし」という県民性というより『世代』の問題だろう。スマートフォン、コンピューターゲームといった分からないもの、に対する拒絶反応とも言えるが、もし、実害が規制に直結するならば「詐欺に引っかかるから、高齢者は電話もスマホもケータイも全部禁止」こそ、真っ先に行うべきではないか?●ついでに添えるなら、スマートフォンにはペアレンタルコントロールという機能もある。細かく設定するのは大変だが、利用時間だけでなく視聴する動画コンテンツの年齢制限、外部とのやり取りなど、かなりの部分で使用制限をかけられる。しかし、多くの場合、面倒くさくてやっていないか、その機能すら知らないのだろう。そんな「よく分からない」「難しい」ような機械を「みんなが持っている」という理由だけで買い与えている姿が見えてくる。●これらの話から、分からないから行政でどうにかしろ、と他人任せにする家庭の姿が見えてくる。当然、そういう意見に『迎合』することは、次の選挙でも有効だし、現場としても「仕事をしている」をアピールできる機会なので、ゲームや青少年といった当事者を差し置いてでも受け入れるメリットがある。所詮、深夜の繁華街に子連れでやってきて「子供が居るんですよ!不健全なことは止めてください!」って騒いでいるようなものだろう。★☆★
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