
どうにもならない力の差
2019年08月12日(月)
●水の事故のニュースが相次いだ。台風の接近によって沿岸部では波が高くなっているが、台風との体感的な距離と、実際に影響を及ぼす距離にギャップがあり、さらに、「せっかくの休み」「せっかく来たのだから」が重なれば、事故につながる可能性は高い。しきりに報じられている愛知県田原市の海水浴場での事故、9歳と6歳の兄弟溺れ 兄が死亡という痛ましい内容で報じられている。田原市といえば、渥美半島の大部分を占める市で、南側の海岸は太平洋に面しており、サーフィンを楽しむ人が多い場所として知られている。サーフィンなどはしない身なので体感的には知らないが、漁港などにスケール感の違う大波が普通に押し寄せているのを見て、流石に外海だなと思ったことは多々ある。●一方で、事故が起きた『白谷海水浴場』はは三河湾側。波穏やかで、どちらかといえばファミリー向けの印象だが、どれほど台風の影響があったか、もしくは、ちょうど怖いもの知らずのやんちゃ盛りの兄弟なので、台風とは無関係だったか、その経緯は定かではないが、結果は悲惨な事故となった。また、同じ愛知県でも蒲郡市形原町の「天神川」の河口で、川遊びをしていたベトナム人とみられる5歳の子が溺れて重体となっている。『ベトナム人や日本人のグループ25人ほどで川遊びに来ていて』溺れたそうだが、先の話同様、大人が目を離した隙に事故に遭っている。大人だって流されたりしているんだから、無謀としか言いようがない。一方、外国人や若者らは「遊泳禁止」を無視して泳ぎ、被害に遭っているケースが目に付く。何でもかんでも規制規制という世の中はどうかと思うが、遊泳禁止などは、その地域でそれなりの必然性があって作られたルールだが、多くの場合、その地域の人は「そんなことは分かっている」ので、むしろ、看板など大々的に立っている訳でもないし、あえて外国人向けに書くこともない。結果、たまたま帰省してきた家族や外国人などが犠牲になる。●自然の脅威、これは人間の手でどうにかなるものではなく、安っぽい言い方になるが畏怖とか、そういう感情を抱くものとなる。その畏怖は臆病な人間に与えられた慈悲みたいなもので、その畏れを素直に受け取って行動すれば大事には至らないが、今時、自然の脅威なんてテレビか動画サイトでしか見かけないから、「ああ、これがそうだったか」と知った瞬間、手遅れになっている。★☆★