ハンドル切って、避けられるわけじゃない
2019年09月06日(金)
●横浜市の京急線、踏切で電車が大型トラックに衝突して脱線した事故。人の多いところなので、映像が豊富に流れているが、まぁ、生々しい話だ。トラックの運転手が亡くなったということだが、あれだけ大きなものの事故の死者が1人で済んで良かったと言うのは不謹慎だろうか。ただ、電車なんて、簡単に止まれるものではないので、線路内への立ち入りは原則として禁止されており、唯一の例外となろう踏切の通過も、自動車の側に規制と責任が大きく割り振られているのが現実。そういう観点で見れば、今回の事故はトラック側に非がある。さらに新聞などを見れば、トラックが曲がりきれずに立ち往生していたという。大きなトラックが狭い路地に入り込んでいる理由は分からないが、必然性のある通行なのか、近道・抜け道と称したショートカットなのか、単に道に迷ったのかは分からないにせよ、あんな路地を通る方が悪い。さらに、そんな狭い場所なので、撤去作業も簡単にはいかないだろう。迷惑以外の何物でもない。ついでに言えば、線路への立ち入りは厳しく制限されている。「何故、こんな事故に」と真顔で報じている連中は、カメラクルーがどこで撮っているのか見てから言った方が良い。●物流トラックのガラの悪さなんか、今更の話で、それを売りにしていた『トラック野郎シリーズ』は昭和の遺物になってしまったが、実質、ああいった連中に支えられているのも現実だろう。今は、高齢化が進んでいるか、給料が安すぎて人が集まらないという状況。そりゃ、質が落ちるのも当然だ。物流費は値上げできない。荷主側からすれば至極当然の話で、受け手の都合でコロコロ変えられていたら商売にならない。一方、物流業界からすれば安すぎる、というのが本音だろう。特に、個人宅配など再配達が多いところは、運ぶ荷物の量に対してカネがかかりすぎる訳で、そりゃ、不満もたまる。だが、物流業界、ある時期、競争が激しくなり「ウチはこれくらいで運べますぜ」「ウチは翌朝には届きますぜ」みたいなのをやりあって、結果的に破綻しただけのこと。人手不足だとか騒いでいるが、その不足は自業自得が招いた結果だろう。結果的に、社会は『値上げ』を受け入れたわけだが、かと言って、質があがったようには見えない。いや、むしろ、安い給料で走ってんだ、安全運転の給料なんか貰ってないよ、みたいなのが増えたように見える。事故を起こしたトラックが、どういうトラックか知らないが、とうてい擁護できる話じゃない。★☆★