2019年04月29日 記事
監視社会を怖がる人々

2019年04月29日(月)

●お茶の水女子大付属中学校に侵入して刃物を置いた、と思しき容疑者が逮捕された。京都府内に住む50代の男だそうで、ろくに素性が明かされていないが、判明していないか、公表するのに慎重にならざるを得ない手合いなのだろう。どちらにしてもバカだな。意外と早く判明した、この事件。その実、田舎者は今の東京のヤバさを分かっていないんだろう。2020東京五輪、この商機はIT業界にも大いにあり、関係する大手メーカーの営業などは「にせんにじゅうねんの東京でオリンピック」という話し方はしない。既に「東京ニーマルニーマル」などとサラッと言いやがって、それらの社内では、それなりのプロジェクトが進行している様子がよく分かる(笑)。そういうIT技術の中で、おそらく、カネがかけられるのが「顔認証」の技術だ。東京の至るところに、ニーマルニーマルに向けた体で、顔認証が取れるレベルの高画質カメラが次々の設置されていると思われる。●顔認証はカメラではなく、その画像の処理なので、とりあえず、画像が取れれば良い。後からソフトウェアによって顔を判別するだけだが、もし、それが1台だけなら、警備会社のおっさんと何ら変わりはない。面白くも怖いのはカメラ映像が1箇所に集められた場合だ。とある駅で目撃された男の顔は、どこの駅で降りたか、他の映像から「認証された顔」として検索出来るようになる。繋ぎ合わせれば、これらのカメラ圏内を歩いている間の一挙手一投足が、すべて認識される可能性がある。おそらく、この京都府内に住む50代の男も、犯行現場からのカメラ映像を全部、追いかけられたんじゃなかろうか。もちろん、捜査員がいちいち、すべての映像を1つずつ確認する必要はない。コンピュータが文句も言わずに全部探してくれるんだから、特別な労力は必要ない。後は、カメラを増やせば、それなりに解像度の高い行動データを取れるようになるので、今後、ますます増えるだろう。もちろん、法的にどこまでOKか、という点がグレーなので、公にカメラで全部見えますよ、みたいなことは言わないだろう。でも、出来るんだから、やっているに決まっている。●そんなバカなことが、という人もあろうが、既に自動車では実用化されており、通称「Nシステム」と呼ばれている。道路でナンバープレートを読み取っているアレだが、あれで読み取られた情報から、その車が、どこをどうやって走ったか、すべて分かる訳で、この認識対象が数字から顔になったのが顔認証技術だ。そのNシステムが、堂々と運用を明かしていないことを思えば、顔認証も明かさないだろう。まるで監視社会のようだ、という人もあろうが、何千万人もの人間の行動をすべていちいちチェックする訳にもいかないので、実際は「何かあった時、すぐに追える状態」を目指す訳で、そういう状態を「困る」のがどんな人種か考えてみれば、我々は、該当カメラの設置を喜ぶべきだろうな。★☆★
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