カエルのお祭り
2019年06月23日(日)
●松本かえるまつりに行ってきた。全国の「カエル好き」が集まるイベントは、その実、多数開催されているが、いくつかあるうちの1つが、これだろう。自分が手伝いをしていた頃に実行委員をしていた学生らが、すでに30代半ばという状態なので、それなりに歴史はあるが、よくぞ、続いているものだと感心する。また、カエル好きのカエル好き度合いは半端なレベルではなく、この時期は、そこを通る人々の大半が「黄緑色」になっている。透明なプール用の手提げ袋にカエルのぬいぐるみがぎっちり詰まった人や、幼児ほどのぬいぐるみを担いでいる人、自分自身がカエルになりきって着ぐるみやファッションを身につけている人、などなど。知らない人が見たら、どういうイベントなのかと不審に思うかも知れないが、イベント会場付近では多勢に無勢。むしろ、皆が不審者なので安心だ(笑)。●一方で、カエルをモチーフにした作品を展示、販売する作家も全国から集まってくる。それは、銀細工やガラス工芸といった、それ自体が、高度な技術を要するもので、カエルの姿を、よりリアルに、もしくは、コミカルに表現する。一方で、革細工のようなものがあると思えば、ポストカードのようなものもあり、その表現は千差万別。また、作家でなくとも、全国からカエル柄の布地を集めて売っているという人の品揃えは、日本一だと自称しているが、確かに、これほどカエル柄の布生地があるかと感心させられる。元々、松本市は「あがたの森」などでクラフトフェアを開催するような地域柄なので、こういう作家に寛容なのだろうか。見ているだけでも面白い。●そもそも、カエルだ。田んぼに住んでいて、というイメージのあるアレは、裏を返せば、日本の原風景において、人間に最も近しい位置で暮らしている小動物と言えよう。キモチワルイという人もあろうが、概ね、ただ、ゲロゲロ鳴いているだけという人畜無害な存在。親近感のあるシンボルとして扱われるもの自然のことだろうか。かくいう自分も、子供の頃はカエルを捕まえては遊んだ覚えがあるが、特に、田舎の祖母の家の周りは、カエル天国だったので、より身近に感じている。ファミコンもなかった時代のこと、今の子供らにしてみれば、退屈な遊びかも知れぬ。ただ、田んぼで自由に遊んでいた時代は、もう、終わってしまい、今時、人が住んでいるような場所の田んぼは、有刺鉄線だの電気柵などで囲まれていることが多い。イノシシやハクビシンなどが里まで降りてきており、その対策だというが、もう、自由に遊ぶことはもちろん、その付近に小さな子が近づくことすら危険になっている。そういうのが時代の必然かどうかは分からないが、カブトムシやクワガタと同様、カエルも百貨店や水族館にいるもの、という感じになってしまうのかねぇ。★☆★